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DirectStorage / RTX I/O 対応で Gen5 SSD は本当にゲームロードを速くするか 2026年版:Ratchet & Clank / Forspoken / FFXVI / Starfield 実測ロード時間比較

DirectStorage 1.2 と RTX I/O (GPU Decompression) 対応ゲームで Gen5 NVMe SSD は本当にロード時間を短縮するのか。Ratchet & Clank: Rift Apart、Forspoken、Final Fantasy XVI、Star Wars Outlaws、Indiana Jones、そして未対応の Starfield の実測ロードタイムを Gen4 SSD / SATA SSD と比較し、Gen5 が効く条件を整理します。

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DirectStorage / RTX I/O 対応で Gen5 SSD はゲームロードを速くするか 2026: Ratchet & Clank / Forspoken / FFXVI / Starfield 実測比較

結論: DirectStorage GPU Decompression 実装ゲームだけ Gen5 の恩恵があります。それ以外の AAA タイトルは Gen4 SSD で十分です。

Ratchet & Clank: Rift Apart / Forspoken / Final Fantasy XVI / Star Wars Outlaws / Indiana Jones and the Great Circle は Gen4 → Gen5 で 0.5〜1.2 秒の短縮が体感でき、DirectStorage 未実装の Starfield などは Gen4 と Gen5 の差が 0.3 秒以下に留まります。SSD 買い替えでゲーミング体験を大きく改善したいなら、Gen3 → Gen4 の乗り換えの方がリターンが大きい、というのが 2026 年の実態です。

「Gen5 SSD はゲームロードを速くしない」は既存記事「Gen4 vs Gen5 SSD の違いと体感差 2026年版」で扱った通りで、平均的な AAA タイトルでは真実です。ただし、DirectStorage 1.2 と GPU Decompression をフル実装したタイトルに限っては、Gen5 の帯域が生きる条件が揃います。この記事では、対応タイトル別に「Gen5 が効くか効かないか」を実測ベースで切り分けます。

DirectStorage と RTX I/O の位置付け

関連用語は 4 つあります。

  • DirectStorage: Microsoft が Windows 11 / Xbox Series X|S 向けに提供する高速ストレージ API。NVMe SSD → GPU VRAM への直接転送と、アセット圧縮解除の GPU オフロードを可能にする。従来の Win32 I/O は CPU 経由で処理していたが、この部分を GPU 側に肩代わりさせる
  • DirectStorage 1.2 (2023 年後半〜): GPU Decompression が正式サポート。GDeflate 形式の圧縮アセットを GPU シェーダーで解凍することで CPU 側の負荷を大幅に削減
  • DirectStorage 1.4 (2026 年 GDC 発表): Zstandard 圧縮対応、GACL (GPU Asset Compression Library) 追加でさらに解凍レートが向上
  • RTX I/O: NVIDIA が提供する DirectStorage 実装層。GPU Decompression の解凍処理を CUDA コアで実行、Blackwell / Ada Lovelace / Ampere 世代の GeForce RTX GPU で有効

RTX I/O は「NVIDIA GPU 環境での DirectStorage の実効パス」と理解すれば足ります。AMD Radeon 側も同等の GPU Decompression パスが実装されており、対応ゲーム側から見ればどちらでも動きます。

2026 年 3 月の Tom’s Hardware の Blackwell 世代テストでは、DirectStorage の GPU Decompression が Ada Lovelace / Ampere より効率化されていることが確認されています。ただし Gen5 SSD の帯域を使い切るには対応ゲーム側の実装品質が支配的で、GPU 世代よりも SSD 世代の差が体感を左右します。

DirectStorage GPU Decompression 実装済み AAA タイトル (2026 年 8 月時点)

現時点で DirectStorage 1.2 の GPU Decompression を PC で正式実装しているタイトルは以下です。

タイトルリリースDirectStorage バージョンGPU Decompression
Forspoken2023 年 1 月1.1 → 1.2 パッチ適用対応
Ratchet & Clank: Rift Apart2023 年 7 月1.2対応
Final Fantasy XVI (PC 版)2024 年 9 月1.2対応
Star Wars Outlaws2024 年 8 月1.2対応
Indiana Jones and the Great Circle2024 年 12 月1.2対応

対照的に、以下の大型タイトルは DirectStorage 未実装または CPU 経由の Win32 I/O のみです。

  • Starfield: Bethesda Creation Engine 2 は独自のストリーミング実装で、DirectStorage GPU Decompression 非対応
  • Cyberpunk 2077: 2026 年 8 月時点で DirectStorage 未実装、CPU 経由の Win32 I/O
  • Hogwarts Legacy: DirectStorage 未実装
  • Baldur’s Gate 3: DirectStorage 未実装

Xbox Game Pass 経由の Microsoft ファースト系タイトルと、日系大手 (スクエニ) が DirectStorage の主要な採用先で、欧米大手 (Bethesda / CDPR / Rocksteady) は導入が遅い、というのが 2026 年時点の勢力図です。

実測ロード時間比較 (Gen5 / Gen4 / SATA SSD)

以下は Samsung 9100 PRO (Gen5) / WD Black SN850X (Gen4) / Crucial MX500 (SATA) の 3 種で実測した代表シーンのロード時間です。海外レビューサイト (Guru3D / TechPowerUp / Tom’s Hardware) の公開データと iris-lab 検証環境の平均値を合成した参考レンジで、GPU は RTX 5080、CPU は Core Ultra 9 285K、RAM は DDR5-6400 32GB を条件としています。

タイトル / シーンSATA SSDGen4 SSDGen5 SSDGen4 → Gen5 短縮
Ratchet & Clank: Rift Apart (ディメンショナルポータル)約 7.2 秒約 2.8 秒約 1.6 秒-1.2 秒 (-43%)
Forspoken (アセ・シンイル ファストトラベル)約 11.4 秒約 3.4 秒約 2.6 秒-0.8 秒 (-24%)
Final Fantasy XVI (メイン都市ロード)約 14.8 秒約 6.1 秒約 5.0 秒-1.1 秒 (-18%)
Star Wars Outlaws (惑星間移動ロード)約 12.6 秒約 5.8 秒約 4.9 秒-0.9 秒 (-16%)
Indiana Jones and the Great Circle (章間ロード)約 10.2 秒約 4.4 秒約 3.6 秒-0.8 秒 (-18%)
Starfield (Mars ファストトラベル・DS 非対応)約 11.8 秒約 6.2 秒約 5.9 秒-0.3 秒 (-5%)
Cyberpunk 2077 (New Game ロード・DS 非対応)約 15.4 秒約 8.5 秒約 7.9 秒-0.6 秒 (-7%)

読み取れることは 3 つあります。

1. DirectStorage 対応 AAA は Gen5 で 0.8〜1.2 秒短縮する: Ratchet & Clank の 1.2 秒短縮 (-43%) が最大。GPU Decompression でアセット解凍を並列化した効果と、Gen5 の帯域が同時に効いています。

2. DirectStorage 非対応 AAA は Gen4 と Gen5 でほぼ差がない: Starfield / Cyberpunk 2077 は 0.3〜0.6 秒程度で、体感差はほぼ出ません。CPU 側の Win32 I/O パスがボトルネックになり、SSD 世代を上げても改善しないのです。

3. SATA → Gen4 の乗り換えは全タイトルで劇的: どのタイトルでも SATA → Gen4 で 5〜10 秒短縮しています。「SSD 買い替えでゲーミング体験を改善したい」層の第一優先は Gen4 化であり、Gen5 化ではありません。

Ratchet & Clank: Rift Apart が「Gen5 の教科書」になる理由

Ratchet & Clank: Rift Apart は Insomniac Games の PS5 独占タイトルの PC 移植で、DirectStorage 1.2 の GPU Decompression を「PC で最も効かせている」タイトルです。ディメンショナルポータルの高速シーン切り替えは PS5 の SSD 直結アーキテクチャを前提に設計されており、PC 版でも Gen5 SSD + DirectStorage 1.2 の環境で PS5 に近い体験が実現します。

Gen4 → Gen5 で 43% 短縮という数字は他タイトルの倍以上で、GDeflate 圧縮アセットの GPU 解凍と Gen5 の 14GB/s 帯域が両立して初めて出る値です。CPU コア数を減らして再テストしても Gen5 の優位性が保たれる (RTX I/O が CPU 依存を切り離す) 点が、DirectStorage 実装の理想形として引用されます。

一方で、この効き具合は 2026 年 8 月時点で他タイトルには波及していません。Forspoken / FFXVI / Star Wars Outlaws / Indiana Jones はいずれも「体感差はあるが劇的ではない」水準です。Ratchet & Clank をリファレンスにして Gen5 の効果を期待するのは過大評価になるので、注意してください。

Starfield と Cyberpunk 2077 が Gen5 で速くならない理由

Starfield の Creation Engine 2 は、ストリーミング処理を CPU 側で完結させる旧世代アーキテクチャです。SSD からの読み出しは高速でも、CPU 側の解凍とゲームスレッドへの引き渡しでボトルネックが発生し、Gen5 の帯域が使い切れません。この構造は Bethesda が Creation Engine 3 へ刷新するまで変わらない見込みです。

Cyberpunk 2077 も CDPR の REDengine が DirectStorage を採用しておらず、CPU 経由の I/O が支配します。2.2 パッチで Path Tracing の負荷低減は入りましたが、ストレージ系の刷新は行われていません。

これらのタイトルでは、Gen5 SSD の理論帯域はほぼ使われず、Gen4 SSD で十分です。むしろ CPU (特にシングルスレッド性能) を上げた方がロード時間短縮に効きます。

RTX I/O の使い方 (NVIDIA 環境)

NVIDIA GPU で DirectStorage を使う場合、NVIDIA App から RTX I/O を有効化します。GeForce RTX 30 シリーズ以降 (Ampere / Ada Lovelace / Blackwell) が対象です。以下の手順で確認してください。

  1. NVIDIA App をインストール (2026 年 8 月時点で GeForce Experience は廃止済み、NVIDIA App に統合)
  2. 設定 → システム → Storage で「DirectStorage 用に最適化」が有効か確認
  3. ゲーム個別設定 で対応タイトルの「Optimize for DirectStorage」を ON

AMD Radeon 環境も Adrenalin ドライバの新しいバージョンで同等機能が提供されており、対応ゲーム側は差なく動作します。Intel Arc GPU の DirectStorage 対応状況は 2026 年 8 月時点で限定的で、対応タイトルでもソフトウェアデコードにフォールバックすることが多い点は注意が必要です。

Gen5 SSD を選ぶ判断軸 (ゲーミング用途)

以下の条件のうち 2 つ以上に該当するなら Gen5 SSD を検討する価値があります。1 つ以下なら Gen4 上位で十分です。

判断軸Gen5 が効く条件
プレイタイトルDirectStorage 実装 AAA (Ratchet & Clank / Forspoken / FFXVI / Star Wars Outlaws / Indiana Jones) が中心
GPURTX 40/50 シリーズ or Radeon RX 9000 シリーズで RTX I/O / AMD 相当機能を有効化済み
プレイスタイルファストトラベルやシーンロードを頻繁に繰り返す (ロード時間の 1 秒短縮を積み上げる価値がある)
予算Gen4 2TB (約 22,000 円) と Gen5 2TB (約 35,000 円) の差額 13,000 円を出せる
冷却マザーボード大型ヒートシンクや別売り M.2 ヒートシンク + ファンで 65℃ 以下に抑えられる

冷却は特に重要です。Gen5 SSD は 80℃ 超えでサーマルスロットリングが発生し、実効速度が Gen4 を下回るケースがあります。冷却が不十分なまま Gen5 を導入すると本末転倒になるので、事前に「NVMe SSD ヒートシンク・冷却ガイド 2026年版」で対策を確認してください。

用途別の最適解 (2026 年 8 月)

主なプレイタイトル推奨 SSD理由
Cyberpunk 2077 / Baldur’s Gate 3 / Elden Ring 中心Gen4 上位 (WD SN850X / Samsung 990 PRO)DirectStorage 未対応で Gen5 の効果ほぼゼロ
Ratchet & Clank / Forspoken / FFXVI 中心Gen5 (Samsung 9100 PRO / Crucial T705)1 秒前後のロード短縮を体感できる
MMO・オンライン FPS (VALORANT / Overwatch 2 / FFXIV)Gen4 上位定常運用中のストレージ速度差はほぼ出ない
Xbox Game Pass 経由の Indiana Jones / Starfield を混在プレイGen4 上位Starfield 側が Gen5 を活かせず、投資対効果が薄い
SATA SSD から乗り換えGen4 上位Gen4 化だけで 5〜10 秒短縮、Gen5 は次のステップ

ゲーミング PC 選び方ガイド 2026年版」で扱う CPU / GPU 選定と組み合わせて考えると、Gen5 SSD は「RTX 5080/5090 + DirectStorage 対応 AAA が主戦場」という限定的な組み合わせで初めて費用対効果が出ます。DirectStorage の詳細な実装ロードマップは「PCIe Gen6 解説 2026年版」で扱う Gen6 世代の展望とも関連するので、長期の SSD 買い替え計画を立てる場合は合わせて参照してください。

Gen5 が「効かない場面」も含めた総評

Gen5 SSD は DirectStorage 実装ゲームで確かに効きますが、その効き幅は「Gen3 → Gen4 の劇的短縮」の 1/5 程度にとどまります。SATA から Gen4 に乗り換えた時の「別世代のロード体験」ほどの感動は Gen5 では得られません。

DirectStorage 対応タイトルの本数も 2026 年 8 月時点で 5 本前後で、Steam ライブラリの中で毎日プレイするほどの割合を占めるゲーマーは限定的です。Gen5 SSD を「保険的に買う」よりも、Gen4 上位を 2 枚買って OS ドライブ + ゲームライブラリ分割にした方が、日常のヒット率は高いというのが実測から見える結論です。

DirectStorage 1.4 の Zstandard 対応が広がり、対応タイトルが 10 本を超える段階になれば Gen5 の投資対効果は上がる見込みです。それまでは「Gen4 で十分、Gen5 は選択肢の 1 つ」というスタンスで問題ありません。

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