BIOS / UEFI 初期設定完全ガイド 2026年版:XMP・EXPO・Resizable BAR・Secure Boot・TPM 2.0・PCIe Gen5・SVM を Ryzen 9000 / Arrow Lake で正しく設定する
自作PC 完成後に必ずやる BIOS / UEFI 設定 8 項目を、Ryzen 9000 (AM5) と Arrow Lake (LGA1851) 別に手順で解説。DDR5 XMP / EXPO 有効化・Resizable BAR で fps を上げる・Secure Boot と TPM 2.0 で Windows 11 25H2 に対応・SVM で WSL2 / Docker を動かす・PCIe Gen5 SSD の速度検証まで、初回起動から 30 分で終わる設定ルーチンを網羅します。
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結論:自作 PC 完成後の初回起動でやるべき BIOS 設定は 8 項目、所要時間は 30 分です。XMP / EXPO でメモリを定格速度に、Resizable BAR で GPU の fps を引き出し、Secure Boot と TPM 2.0 で Windows 11 25H2 の要件を満たし、SVM / VT-x で WSL2 / Docker を動かせるようにします。
AM5 と LGA1851 で該当項目のメニュー位置と表記が異なるため、この記事では両プラットフォーム分の手順を並列に載せています。ASUS ROG / MSI Click BIOS / GIGABYTE / ASRock のメーカー別 UI パス早見表も末尾にまとめました。
検索から来た方への要約
| 質問 | 一行の答え |
|---|---|
| XMP と EXPO はどっちも必要? | 使うメモリ側で対応プロファイルが違うだけ。片方を有効化すれば OK |
| TPM 2.0 は Windows 11 25H2 で必須? | 必須。fTPM (AMD) または PTT (Intel) を BIOS で有効化する |
| Secure Boot が有効にできない | CSM を先に無効化する。CSM 有効時は Secure Boot が非表示になる実装が多い |
| SVM を有効化する意味は? | WSL2 / Docker Desktop / Hyper-V / VirtualBox すべてで必須 |
| PCIe Gen5 SSD の速度が出ない | CPU 直結の M2_1 スロットに挿す。それ以外は Gen4 が典型 |
| Resizable BAR の前提は? | Above 4G Decoding を先に有効化する必要あり |
| BIOS 更新は CPU なしでも可能? | BIOS Flashback / Q-Flash Plus / Flash BIOS Button 対応マザーなら可 |
BIOS と UEFI の関係
現行マザーボードで「BIOS 設定画面」と呼ばれているものは、正確には UEFI (Unified Extensible Firmware Interface) です。従来の Legacy BIOS を置き換える 2005 年以降の仕様で、次の違いがあります。
| 項目 | Legacy BIOS | UEFI |
|---|---|---|
| ディスク容量上限 | 2 TB | 実質無制限 (128 ZB) |
| ブート方式 | MBR | GPT + UEFI ブート |
| 起動速度 | 遅い | Fast Boot で数秒 |
| セキュリティ | Secure Boot 非対応 | Secure Boot / TPM 連携対応 |
| UI | テキストベース | GUI・マウス操作対応 |
Windows 11 は UEFI + GPT + Secure Boot が前提で、Legacy BIOS モード (CSM) では正式サポートされません。自作 PC の初回起動でまずやるべきなのは「CSM 無効化を確認して UEFI モードに固定する」ことです。
自作 PC の組み立てから初回起動までの全体像は 自作 PC 組み立てガイド 2026年版 にまとめており、この記事はその「初回起動後の BIOS 設定」に相当します。
初期設定 8 項目:順序と目的
初回起動から 30 分で終わる設定を、実行順序で整理します。
- CSM 無効化 → UEFI モード固定
- XMP (Intel) / EXPO (AMD) 有効化 → メモリ定格速度
- Resizable BAR / Above 4G Decoding 有効化 → GPU fps 引き出し
- Secure Boot 有効化 → Windows 11 要件
- TPM 2.0 (fTPM / PTT) 有効化 → Windows 11 要件
- SVM (AMD) / VT-x (Intel) 有効化 → WSL2 / Docker 用
- Fan Curve 初期プリセット確認
- Boot Order で M.2 SSD を最優先
順序は「先に UEFI モードを固定してから Secure Boot 系を触る」流れです。CSM が有効なままだと Secure Boot が非表示になる実装が多いため、この順序を守ります。
1. CSM 無効化
- 場所: Boot タブまたは Security タブ内の「CSM Configuration」
- 設定: Disabled
- 目的: Legacy BIOS 互換層を切って UEFI モードに固定、Secure Boot を有効化可能にする
2. XMP / EXPO 有効化
DDR5 メモリを JEDEC 標準の DDR5-4800 / 5600 のままで動かすと、Ryzen 9000 の sweet spot である DDR5-6000 EXPO と比べて 20〜30% の性能を捨てることになります。
- AMD Ryzen 9000 (AM5) の推奨: DDR5-6000 CL30 EXPO (1:1 MCLK:FCLK 維持)
- AMD Ryzen 9000 の上限: X870(E) / B850 で AGESA 1.2.0.2 以降なら DDR5-6400 まで拡張可、それ以上は 1:2 動作で性能鈍化
- Intel Arrow Lake (LGA1851) の推奨: DDR5-6400 (Gear 2, CUDIMM)、UDIMM は DDR5-5600 が JEDEC 上限
- Arrow Lake の CUDIMM 上限: K 版で 9066 MT/s、非 K で 7200 MT/s (ASRock 検証)
BIOS 側の設定は次の場所です。
- ASUS ROG: Ai Tweaker → Ai Overclock Tuner → XMP または EXPO を選択
- MSI: EZ Mode 左上「XMP Profile」または OC → Extreme Memory Profile
- GIGABYTE: Tweaker → XMP または EXPO を Enabled
- ASRock: OC Tweaker → Load XMP Setting または Load EXPO Setting
DDR5 の速度別性能差と DDR5-6000 / 7200 / 8000 の使い分けは DDR5 メモリ速度 6000 / 7200 / 8000 の違い 2026年版 にまとめています。
3. Resizable BAR / Above 4G Decoding 有効化
Resizable BAR (ReBAR) は CPU が GPU の VRAM 全体に一度にアクセスできるようにする機能で、対応ゲームで fps が 5〜15% 向上します。RTX 30 / 40 / 50 世代のすべてで対応済みです。
- 前提: Above 4G Decoding を先に Enabled にしないと Resizable BAR の項目が現れない実装が多い
- 場所: Advanced タブ内の「PCI Subsystem Settings」または「PCIe Configuration」
- 順序: Above 4G Decoding → Enabled → Resizable BAR → Enabled → 再起動
無効になっている場合、Windows 側の GeForce Experience や AMD Software から「Resizable BAR: 無効」と表示されます。有効化後は「有効」に変わります。
4. Secure Boot 有効化
Windows 11 25H2 で TPM 2.0・Secure Boot・PCR7 バインド済み WinRE が明示的な前提条件に格上げされました。24H2 → 25H2 のアップグレード時にはライブ再検証が入り、レジストリだけの回避は失敗するケースがあります。
- 場所: Boot タブまたは Security タブ内「Secure Boot」
- 設定: OS Type → Windows UEFI mode → Secure Boot → Enabled
- 前提: CSM を先に無効化する
一部マザーでは Secure Boot キーが工場出荷時から「Not Provisioned」になっているため、「Install default Secure Boot keys」でデフォルトキーを流し込んでから有効化します。
5. TPM 2.0 (fTPM / PTT) 有効化
Windows 11 の PC Health Check が CPU / RAM / Storage / TPM / Secure Boot / GPU を判定するため、TPM 2.0 が有効でないとインストールが通りません。
- AMD: Advanced → AMD fTPM Configuration → fTPM を Enabled (メニュー表記が「AMD CPU fTPM」の場合もあり)
- Intel: PCH-FW Configuration または Security → PTT を Enabled
fTPM / PTT は CPU 内蔵の TPM 2.0 実装で、専用チップ (dTPM) を追加購入する必要はありません。既存 CPU で必ず有効化できます。
6. SVM (AMD) / VT-x (Intel) 有効化
WSL2・Docker Desktop・Hyper-V・VirtualBox で必須の CPU 仮想化拡張機能です。
- AMD: Advanced → CPU Configuration → SVM Mode を Enabled
- Intel: Advanced → CPU Configuration → Intel Virtualization Technology (VT-x) を Enabled
加えて GPU パススルーやコンテナのネットワーク仮想化を使う場合は VT-d / AMD IOMMU も併せて Enabled にします。Docker Desktop の基本動作には SLAT と VT-x / SVM があれば十分です。
WSL2 上で Ollama や vLLM を動かしてローカル LLM を回す構成の詳細は WSL2 ローカル LLM セットアップガイド 2026年版 にまとめています。この記事の SVM 有効化はその前提条件です。
7. Fan Curve 初期プリセット確認
初期プリセットは「Silent」「Standard」「Turbo」の 3 プリセットが定番で、Ryzen 9000 / Core Ultra 200 系のような高発熱 CPU では「Silent」だとサーマルスロットリングを起こすことがあります。
- ASUS: Q-Fan Control → CPU Fan → Standard または Manual カーブ
- MSI: Hardware Monitor → CPU Fan → Smart Fan Mode → Manual
- GIGABYTE: Smart Fan 6 → CPU Fan → Slope または Stair モード (制御点 7 個で調整可能)
- ASRock: H/W Monitor → CPU Fan 1 Setting → Standard または Customize
DDR5-8000 級のメモリを使う場合、メモリ側の温度も 60℃ 超えると不安定化するため、メモリ用ファン (SST-FN123 など) を追加してケースファンカーブに含める設定を推奨します。
8. Boot Order で M.2 SSD を最優先
- 場所: Boot タブ → Boot Priority (または Boot Order)
- 設定: 1 位に OS を入れる M.2 SSD、2 位に USB (BIOS 更新用) の順
メーカー別 BIOS UI 早見表
主要 4 メーカーの BIOS UI で該当項目の位置をまとめます。
| 設定項目 | ASUS ROG | MSI Click BIOS | GIGABYTE | ASRock |
|---|---|---|---|---|
| XMP / EXPO | Ai Tweaker → Ai Overclock Tuner | EZ Mode 上部「XMP」または OC | Tweaker → XMP/EXPO | OC Tweaker → Load XMP/EXPO |
| TPM (fTPM/PTT) | Advanced → AMD fTPM / PCH-FW → PTT | Settings → Security → Trusted Computing | Settings → Miscellaneous → AMD CPU fTPM / Intel PTT | Security → Intel PTT / AMD fTPM |
| SVM / VT-x | Advanced → CPU Configuration → SVM Mode / VT-x | OC → Advanced CPU Configuration | Tweaker → Advanced CPU Settings | Advanced → CPU Configuration |
| Secure Boot | Boot → Secure Boot | Settings → Security → Secure Boot | Boot → Secure Boot | Security → Secure Boot |
| CSM | Boot → CSM | Settings → Advanced → Windows OS Configuration | BIOS → CSM Support | Boot → CSM |
| Resizable BAR | Advanced → PCI Subsystem Settings | Settings → Advanced → PCI Subsystem | Peripherals → Above 4G Decoding | Advanced → Above 4G Decoding |
メーカーやマザーボード世代によって多少の表記ゆれと階層違いがあります。マニュアル PDF の該当ページを参照するのが確実です。マザーボードのチップセット別機能差 (X870E / B850 / Z890 / B860) は マザーボードチップセット比較 2026年版 を参照してください。
PCIe Gen5 SSD の速度確認
Gen5 SSD (WD_Black SN8100、Crucial T710、Samsung 9100 Pro など) を挿しても速度が出ない場合、以下 3 点を確認します。
1. M.2 スロットの世代を確認
X870E / B850 (AM5) と Z890 / B860 (Arrow Lake) では、CPU 直結の M2_1 スロットのみが PCIe Gen5 x4 対応で、それ以外はチップセット経由の Gen4 x4 が典型的な構成です。マザーマニュアルで CPU 直結スロットの位置を確認し、そこに Gen5 SSD を挿します。
2. PCIe レーン設定と GPU への影響
CPU 直結の 2 本目 M.2 スロット (M2_2 が CPU 直結のマザー) を使うと、GPU の PCIe レーンが x16 から x8 に降格する構成があります (ASRock X870E Taichi など)。BIOS の PCIe レーン配分設定 (Advanced → PCIe Bifurcation Configuration など) で希望の配分を明示設定します。
3. サーマルスロットリング対策
Gen5 SSD はヒートシンクなしだと 30 秒程度で 90〜105℃ に達し、70〜85℃ 前後でファーム制御による減速が始まります。標準 M.2 ヒートシンク付きなら 65〜72℃ で維持可能です。
WD_Black SN8100 2TB / 4TB は公称 Read 14,900 MB/s / Write 14,000 MB/s、実測 FIO burst で 15/14.1 GB/s、ヒートシンク付きで平均 57℃・ピーク 71〜73℃・スロットリング未発生という測定結果があります。1TB モデルは Write 11,000 MB/s に制限される点に注意します。
PCIe Gen5 と Gen4 SSD の実測速度差と発熱の詳細は PCIe Gen5 vs Gen4 NVMe SSD 2026年版 にまとめています。
動作確認:初回起動後にチェックする 4 項目
BIOS 設定が意図通りに反映されているかを Windows 側から確認します。
1. TPM 状態の確認
tpm.msc を実行して「TPM は使用する準備ができています」「仕様バージョン: 2.0」と表示されれば OK。エラー表示なら BIOS の TPM 有効化を再確認します。
2. XMP / EXPO 反映の確認
CPU-Z の「Memory」タブで DRAM Frequency が期待値 (DDR5-6000 なら 3000 MHz、DDR5-6400 なら 3200 MHz) になっているか、SPD タブで「JEDEC #x」の下に「XMP-6000」または「EXPO-6000」プロファイルが表示されているかを確認します。
3. PCIe Gen5 速度の確認
CrystalDiskMark で Sequential Read/Write が 14,000 MB/s 前後出るかを確認します。7,000 MB/s 前後で止まっているなら Gen4 モードで動いている可能性が高く、M.2 スロットの世代とレーン設定を見直します。
4. Resizable BAR 有効の確認
- NVIDIA: NVIDIA コントロールパネル → システム情報 → コンポーネント → 「Resizable BAR: 有効」
- AMD: AMD Software → パフォーマンス → チューニング → 「Smart Access Memory: 有効」
無効なら Above 4G Decoding と Resizable BAR の両方を BIOS で再確認します。
トラブルシュート
CMOS クリア (BIOS 設定を工場出荷時に戻す)
BIOS 設定を触りすぎて起動しなくなった場合の復旧手順です。
- 電源ケーブルを抜く
- 電源ボタンを 30 秒長押しして残留電力を放電
- 以下いずれかの方法で CMOS クリア:
- Clear CMOS ボタン: 背面 I/O パネルのボタンを 30 秒長押し
- ジャンパ: CLR_CMOS ジャンパを 1-2 から 2-3 に 30 秒〜5 分差し替える
- CR2032 ボタン電池: 電池を 5〜10 秒抜いて再装着
- 電源ケーブルを戻して起動、初期設定からやり直し
BIOS Flashback / Q-Flash Plus / Flash BIOS Button
新品マザーで CPU を挿す前に BIOS を最新化する用途で使います。手順は 3 メーカーとも共通です。
- FAT32 でフォーマットした USB メモリを用意
- メーカー公式サイトから BIOS ファイルをダウンロード、指定ファイル名 (例: ASUS は「MB名.CAP」、GIGABYTE は「gigabyte.bin」) にリネームして USB のルートに配置
- 背面 I/O パネルの専用 USB ポートに挿す (通常は「BIOS」表記あり)
- 24pin 電源のみを接続 (CPU / メモリ / GPU 不要)
- 専用ボタンを 3 秒長押し、LED 点滅開始
- LED 消灯まで待つ (5〜10 分)
Ryzen 9000 発売直後や Arrow Lake 初期ロットで、対応 BIOS 未搭載の旧ロットマザーに新 CPU を挿す前に必ずやる作業です。
AGESA と マイクロコード:2026 年 8 月時点の状況
AM5 (Ryzen 9000)
- 現行系列: AGESA ComboAM5PI 1.2.0.3F (Ryzen 9000F 対応) と pre-1.3.0.0 (Ryzen 9000G 対応、MSI 先行配布)
- Windows 11 スケジューラ問題: KB5043076 で 23H2 に branch prediction 最適化がバックポート済み、24H2 では標準搭載で公称 3〜13% 改善
- 更新の判断: 具体的な不満がなければ据え置き、新 CPU 対応やメモリ安定性向上を狙う場合のみ実施
Arrow Lake (Core Ultra 200 系)
- 現行マイクロコード: 0x114 + CSME 1854v2.2 が Intel 公式 Field Update として配布済み、シングルコアレイテンシ問題を部分改善
- 修正後もゲーミング性能は Zen 5 X3D 系や Raptor Lake Refresh 比で劣るというレビュー結論あり
- 0x117 マイクロコードは掲示板検証段階で、正式版としての採用状況は未確認
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よくある質問
- BIOS 初期設定で最低限やるべき項目は何ですか?
- 自作 PC 完成後の初回起動で最低限やるべき設定は 8 項目です。(1) XMP (Intel) / EXPO (AMD) 有効化でメモリを定格速度に、(2) Resizable BAR / Above 4G Decoding 有効化で GPU パフォーマンスを引き出す、(3) Secure Boot 有効化で Windows 11 25H2 に対応、(4) TPM 2.0 (fTPM for AMD, PTT for Intel) 有効化で Windows 11 インストールを通す、(5) SVM (AMD) / VT-x (Intel) 有効化で WSL2 / Docker Desktop / Hyper-V を動かす、(6) CSM 無効化で UEFI + Secure Boot 前提に統一、(7) Fan Curve の初期プリセット確認、(8) Boot Order で M.2 SSD を最優先。初回 30 分で終わる作業量です。
- XMP と EXPO は何が違いますか?
- XMP (Extreme Memory Profile) は Intel が策定した DDR メモリの高速動作プロファイル規格で、EXPO (AMD EXtended Profiles for Overclocking) は AMD が Ryzen 7000 世代以降で採用した AMD 版の規格です。役割は同じで、DDR5 メモリを JEDEC 標準 (DDR5-4800/5600) より高速な定格速度 (DDR5-6000/6400/8000 など) で動かすための設定情報がメモリモジュール側の SPD 領域に書き込まれています。BIOS で XMP または EXPO を有効化すると、メモリコントローラが対応プロファイルを読み取って自動で電圧・タイミング・周波数を設定します。EXPO 対応メモリを Intel マザーで使うと XMP プロファイルを併用してくれる製品もあります。
- TPM 2.0 と Secure Boot は Windows 11 25H2 で必須ですか?
- 必須です。Windows 11 25H2 では TPM 2.0・Secure Boot・PCR7 バインド済み WinRE が明示的な前提条件に格上げされ、24H2 → 25H2 のアップグレード時にライブ再検証が入るためレジストリだけの回避は失敗するケースがあります。AMD Ryzen ユーザーは BIOS の Advanced → AMD fTPM Configuration で fTPM を有効化、Intel ユーザーは PCH-FW Configuration で PTT を有効化します。Secure Boot は Boot タブか Security タブから有効化しますが、CSM (Compatibility Support Module) が有効だと Secure Boot が非表示・無効化される実装が多いため、CSM を先に無効化する必要があります。
- SVM (AMD) と VT-x (Intel) はどんなときに有効化しますか?
- WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2)・Docker Desktop・Hyper-V・VirtualBox など、仮想化技術を使うすべてのソフトウェアで有効化が必須です。BIOS 上の表記はメーカーによって異なり、AMD 側は「SVM Mode」または「AMD-V」、Intel 側は「Intel Virtualization Technology」または「VT-x」と表記されます。加えて GPU パススルーやコンテナのネットワーク仮想化を使う場合は VT-d / AMD IOMMU も併せて有効化します。Docker Desktop の基本動作には VT-x / SVM と SLAT があれば十分で、VT-d / IOMMU は必須ではありません。Claude Code や AI 開発ツールを WSL2 で動かす前提なら、この項目は必ず ON にします。
- PCIe Gen5 SSD を挿しても速度が出ないのはなぜですか?
- M.2 スロットの世代とレーン設定を疑います。X870E / B850 (AM5) や Z890 / B860 (Arrow Lake) では、CPU 直結の M2_1 スロットのみが PCIe Gen5 x4 対応で、それ以外はチップセット経由の Gen4 x4 が典型です。マニュアルで CPU 直結スロットの位置を確認し、そこに Gen5 SSD を挿します。CPU 直結の 2 本目 M.2 スロットを使うマザー (ASRock X870E Taichi など) では、GPU の PCIe レーンが x16 から x8 に降格する構成があるため、BIOS の PCIe レーン配分設定を確認します。Gen5 SSD は発熱が大きく、ヒートシンクなしだと 30 秒程度で 90〜105℃ に達してサーマルスロットリングで速度が半減することもあります。
- BIOS 更新は CPU なしでもできますか?
- ASUS「BIOS Flashback」、GIGABYTE「Q-Flash Plus」、MSI「Flash BIOS Button」対応マザーボードなら CPU / メモリ / GPU なしで BIOS 更新できます。仕組みは、専用 USB ポートに FAT32 でフォーマットした USB メモリに定められたファイル名 (メーカーごとに指定) で BIOS ファイルを配置し、専用ボタンを 3 秒長押しすると PCH / EC 経由で SPI フラッシュ ROM に直接書き込む機能です。新品マザーで新世代 CPU (例:Ryzen 9000 発売直後や Arrow Lake 初期ロット) を挿す前に BIOS を最新にする用途で必須級です。CPU なしで起動できない旧仕様の BIOS 更新に比べて事故率が下がります。
- AGESA と BIOS 更新はどのくらいの頻度でやるべき?
- AM5 マザーでは新しい AGESA (ComboAM5PI) が来たときに更新するのが基本で、頻度は年 2〜4 回程度です。新 CPU 対応 (Ryzen 9000F や 9000G) や DDR5 対応強化 (8000+ MT/s 検証) が入ることが多く、メモリの安定性向上に直結します。Arrow Lake ではマイクロコード 0x114 + CSME 1854v2.2 が Intel Field Update として配布済みで、シングルコアレイテンシ問題が部分改善しています。更新は「今のシステムに具体的な不満がない場合は据え置き」が原則で、動作不安定 / 新 CPU 対応 / セキュリティ修正のいずれかがあるときだけ実施します。BIOS 更新は失敗すると復旧困難なので、BIOS Flashback 系機能付きマザーで行うのが安全です。