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Cline / Roo Code をローカルLLM (Ollama) で使うセットアップ完全ガイド 2026年版:Qwen3-Coder 30B A3B / Devstral Small 2 / DeepSeek-Coder-V2 で無料コーディングエージェント環境を作る

Cline は VS Code 拡張として動く OSS コーディングエージェントで、Ollama 経由でローカルLLM に接続すれば API 従量課金なしで Claude Code 相当の操作を実現できます。Roo Code は 2026-05 に extension 開発終了・Roomote へピボットしたため、実質は Cline がデファクト。Qwen3-Coder 30B A3B / Devstral Small 2 24B / DeepSeek-Coder-V2-Lite 16B を Ollama にロードし、Provider 設定・num_ctx チューニング・.clineignore トークン節約テクまで、VRAM 16GB / 24GB / 48GB 別の実運用手順を整理します。

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Cline / Roo Code + Ollama セットアップ 2026:Qwen3-Coder 30B A3B / Devstral / DeepSeek-Coder-V2 で無料ローカルコーディングエージェント

結論:Cline は VS Code 拡張として動く OSS コーディングエージェントで、Ollama 経由でローカル LLM に接続すれば API 従量課金なしで Claude Code / Cursor のエージェント相当の操作が可能です。Roo Code は 2026 年 5 月 15 日に extension 開発終了で、実質は Cline がデファクト。主力モデルは VRAM 別に Qwen3-Coder 30B A3B(24GB VRAM)/ Devstral Small 2 24B(16GB VRAM)/ DeepSeek-Coder-V2-Lite 16B(10〜12GB VRAM)の 3 択、480B 級(Qwen3-Coder 480B / GLM-4.6)は Ollama Cloud で試す形。最大の落とし穴は Ollama デフォルトの num_ctx が 2K〜4K しかないことで、最低 32K・実用は 64K〜128K に広げないと Cline が黙って失敗します。.clineignore の徹底で初期コンテキストは 200K → 50K トークン以下に縮み、トークン消費が 3〜10 倍変わります。

Cline に興味を持って調べ始めた人が最初に詰まるのは「Roo Code と Cline どっちがいい?」と「Ollama で使えばタダで動くって本当?」の 2 点です。前者は 2026 年 8 月時点では Roo Code の VS Code extension が開発終了しているので実質選択の余地がなく Cline、後者は「動くけどコンテキスト長設定を間違えると黙って壊れる」というのが正確な答えです。この記事はそこから先を、Ollama セットアップ・Provider 設定・VRAM 別モデル選び・num_ctx チューニング・.clineignore トークン節約テク・トラブルシュートまで、実運用に耐える手順として書きます。

コーディングエージェント IDE 5 種の選定比較(Cline / Continue.dev / Aider / Cursor / Claude Code など)は AI コーディング IDE 比較 2026年版 にまとめています。本記事は「Cline を選んだ後、Ollama で動かす手順」に集中する内容です。

Cline と Roo Code の 2026 年 8 月時点の状況

Cline:VS Code 拡張として動く OSS のコーディングエージェント。旧称 Claude Dev。2024 年に登場し、2026 年 5 月時点で v3.82 系がリリースされ、2026 年 8 月時点でも活発に更新が続いています。プロバイダは Anthropic・OpenAI・Google Gemini・AWS Bedrock・Azure OpenAI・OpenRouter・Cerebras・DeepSeek・Moonshot・Alibaba Qwen・xAI Grok・Mistral・Groq・Fireworks・Together・Baseten・SambaNova・Nebius・Hugging Face、そして Ollama / LM Studio によるローカル LLM、と 30 種以上に対応します。

Roo Code:2024 年後半に「Roo Cline」の名で Cline から派生し、2025 年前半に Roo Code へ改名。Boomerang Tasks・Custom Modes・per-mode モデル割当てなどのマルチエージェント志向の機能を独自に実装していました。しかし 2026 年 4 月に開発チームが winding down を発表し、2026 年 5 月 15 日にリポジトリがアーカイブ・extension のメンテナンスも終了しました。チームは Roomote というクラウド製品にピボットしています。

現時点の実質的な選択肢

  • メイン:Cline(Ollama ネイティブ対応、活発更新)
  • 代替:Continue.dev(Ollama 対応、シンプル、多年の実績)
  • CLI 派:Aider(Ollama で動く、ターミナル駐在型)
  • 参考:Cursor(Ollama サポートは Pro 契約 + LiteLLM 経由)

この記事は Cline を主軸に解説しますが、Roo Code からの乗り換え組向けに Cline 側の対応機能への読み替えも要所で触れます。

Ollama のセットアップ

Cline から使う前提の Ollama 側の準備を短く整理します。既に Ollama を入れて動かしている人はこの節を読み飛ばしてください。

インストール(macOS / Linux / Windows)

  • macOS:公式サイトから .dmg をダウンロードして起動
  • Linux:curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh
  • Windows:公式サイトから .exe をダウンロード、または WSL2 側にインストール

Windows で WSL2 を使う場合の詳細な手順は WSL2 ローカル LLM セットアップガイド 2026年版 にまとめています。WSL2 側の Ollama を Windows 側の Cline から使う場合の base URL の書き換えについてもそちらで扱っています。

コンテキスト長を広げる(ここが最重要)

Ollama のデフォルトの num_ctx はモデルにより 2K〜4K トークンです。Cline のようなエージェントは 1 ターンでファイル数本・ターミナル出力数回・システムプロンプトを合わせて数万トークン積み上げるため、デフォルトのままではすぐ溢れます。溢れると Cline が黙って失敗するか、同じツール呼び出しを繰り返すループに入ります。

対策は 2 つの経路があります。

方法 1:環境変数で全モデルに適用(簡単、Ollama 0.9 以降)

export OLLAMA_CONTEXT_LENGTH=65536
ollama serve

64K トークンに広がります。128K にしたい場合は 131072 を指定。ただし全モデルに一律で適用されるため、小さいモデルにも大きな KV キャッシュを確保することになります。

方法 2:Modelfile で個別に指定(推奨)

# Modelfile を用意
cat > Modelfile-qwen3-coder-64k <<EOF
FROM qwen3-coder:30b
PARAMETER num_ctx 65536
EOF

ollama create qwen3-coder-64k -f Modelfile-qwen3-coder-64k

これで qwen3-coder-64k という別名のモデルが登録され、Cline から選択できます。モデルごとにコンテキストを変えたい場合はこちらが柔軟です。

モデルの入手

主力モデル 3 種は Ollama Library にあります。

# 24GB VRAM 級:主力
ollama pull qwen3-coder:30b        # 約 19GB (Q4_K_M)

# 16GB VRAM 級:軽量主力
ollama pull devstral:24b            # 約 15GB (Q4_K_M)

# 10-12GB VRAM 級:入門
ollama pull deepseek-coder-v2:16b   # Lite 版、約 10GB (Q4_K_M)

Qwen3-Coder 480B(約 200GB)・GLM-4.6(同規模)は Ollama Cloud 経由でのみ実用的に使えます。ローカル完結を前提にする本記事では扱いません。Ollama と llama.cpp の使い分けは Ollama と llama.cpp の違い 2026年版 を参照してください。

VS Code に Cline を入れる

  1. VS Code の Extensions パネルを開く(Ctrl+Shift+X / Cmd+Shift+X)
  2. 検索窓に「Cline」と入力
  3. 「Cline (prev. Claude Dev)」を選んで Install
  4. インストール後、左のアクティビティバーに Cline のアイコンが追加される

Marketplace 経由が非対応の環境(企業のプロキシ配下など)では、GitHub Releases から .vsix を落として code --install-extension cline-x.y.z.vsix で手動インストールします。

Cline の Provider 設定:Ollama を選ぶ

Cline のサイドバーで歯車アイコン(Settings)を開き、API Provider セクションで以下を設定します。

  • API ProviderOllama
  • Base URLhttp://localhost:11434(同じホストで Ollama が動く場合)
  • Model ID:ドロップダウンから選択(前節で pull したモデル名、または Modelfile で作った別名が並ぶ)
  • Context Window Size:使うモデルで設定した num_ctx と合わせる(65536 / 131072 など)

WSL2 側の Ollama を Windows 側の VS Code から使う場合の Base URL は、WSL2 のホスト IP を使うか、OLLAMA_HOST=0.0.0.0 で外部公開したうえで Windows 側から http://localhost:11434 にする経路になります。Docker 経由の場合は同じ発想で、--add-host=host.docker.internal:host-gateway を使うか Docker Desktop のホスト共有機能を有効にします。

設定を保存すると Cline のチャット欄にメッセージが打てるようになり、ローカル LLM への接続が完了です。

VRAM 別・推奨モデルマトリクス

Cline + Ollama で実運用する場合の推奨モデルを VRAM 別に整理します(2026 年 8 月時点、モデルはいずれも Q4_K_M 量子化前提)。

VRAM推奨モデルサイズ推奨 num_ctx位置づけ
12GBDeepSeek-Coder-V2-Lite 16B約 10GB32K入門・小規模編集
16GBDevstral Small 2 24B約 15GB32K〜64K軽量主力
24GBQwen3-Coder 30B A3B (Q4_K_M)約 19GB64K〜128K主力・現時点の最有力
32GBQwen3-Coder 30B A3B (Q8)約 32GB64K精度重視
48GBQwen3-Coder 30B A3B + Devstral 併用-128Kプロジェクト横断
96GB+Qwen3-Coder 480B(部分オフロード)約 200GB32K実験的・速度低下大

Qwen3-Coder 30B A3B が 24GB VRAM 級の第一選択である理由は 3 つあります。1 つは MoE 構造で総 30B・アクティブ 3.3B のため、Dense 30B より生成速度が数倍速いこと。2 つ目は 256K のネイティブコンテキスト対応で、大規模リポジトリでも余裕を持って扱えること。3 つ目は Ollama Library で qwen3-coder:30b タグとして直接入手できる導入の簡単さです。

Devstral Small 2 24B が 16GB VRAM 級で強いのは、Mistral 系の設計で小サイズながらツール呼び出し・agentic ワークフローの成功率が高いことによります。Ollama Library からそのまま pull できます。

DeepSeek-Coder-V2-Lite 16B は 12GB VRAM 級の入門枠で、RTX 4060 Ti 16GB や RTX 3080 12GB での実験用途に向きます。ただしコンテキストが 16K〜32K に制限されるため、大規模プロジェクトのエージェント運用にはやや窮屈です。

VRAM 容量ごとに動くモデルの汎用の目安は ローカル LLM VRAM 容量別・動くモデル早見表 2026年版、コーディング以外のモデル選びは ローカル LLM モデル選び方ガイド 2026年版 を参照してください。

トークン節約テク:.clineignore と Terminal 出力抑制

Cline のトークン消費は、放置すると 1 セッションで数百万トークンに達します。以下の 3 手を打つと、ローカル LLM でも従量課金 API でもコストと速度が体感 3〜10 倍改善します。

.clineignore(Cline 版 .gitignore)

プロジェクトルートに .clineignore を置き、Cline がコンテキストに読み込まないパスを列挙します。

# .clineignore の例
node_modules/
dist/
build/
.next/
.turbo/
.vercel/
.cache/
coverage/
*.log
*.min.js
*.min.css
package-lock.json
yarn.lock
pnpm-lock.yaml
public/assets/

これだけで初期コンテキストが 200K トークン超から 50K トークン以下に縮みます。特に Next.js・Turborepo・monorepo などファイル数が多いプロジェクトでは効果が大きく、Cline の応答速度も体感で 2〜3 倍速くなります。

システムプロンプトの縮小

Cline のシステムプロンプトの約 30% は MCP サーバー関連の説明で占められています。MCP を使っていないプロジェクトでは、Cline の Settings で MCP 機能を無効にするだけでシステムプロンプトが縮み、毎リクエストのトークン消費が下がります。

Terminal 出力の抑制

エージェントが実行するコマンドの出力を、Cline は既定で全量コンテキストに取り込みます。ビルドログや大量のテスト出力を要約せずに取り込むと、1 回で数万トークン持っていかれます。Cline の設定で Auto-approve terminal commands を切り、コマンドごとに出力の取り込み範囲を判断する運用にすると、無駄な取り込みが減ります。

会話履歴の整理

Cline は最近のバージョンで「同じファイルを繰り返し読んだ場合、古い読み込み結果をコンテキストから自動的に外す」機能を持っています。この機能を有効にしておくと、長時間セッションでもコンテキストの膨張が抑えられ、Prompt Caching の効きも良くなります(Anthropic API プロバイダで併用時)。

Claude Code / Codex CLI との併用パターン

「Cline に集約すべきか、Claude Code と使い分けるべきか」という問いには、使い分けの一択で答えます。

  • Claude Code(ターミナル駐在型):大規模リファクタ・複数リポジトリを横断する調査・アーキテクチャ設計・PR まるごと生成
  • Cline(VS Code エディタ駐在型):ファイル差分の確認・部分適用・エディタ操作との連携・軽い修正
  • Codex CLI:一発コマンドで short task を処理する用途

これに Ollama + Cline による無料枠を足すと、以下の役割分担が組めます。

  • 本気の実装:Claude Code + Claude モデル(API 課金)
  • 日常のコード提案・軽い修正:Cline + Ollama + Qwen3-Coder 30B A3B(無料)
  • ドキュメント草稿:Codex CLI + o1-mini 級(低コスト)

これで API 課金と作業効率の両立ができます。Claude Code 側の PC 要件と Cline 側の要件を並べて比較したいときは、Claude Code PC スペック要件ベンチマーク 2026年版 をあわせて参照してください。

トラブルシュート

実運用でよく詰まる 4 つのパターンと対処法。

Cline がずっと同じツール呼び出しを繰り返す

原因はほぼ確実にコンテキスト長不足です。Ollama のデフォルト 2K〜4K のまま Cline を回すと、システムプロンプト + ファイル数本で溢れて Cline がループします。前述の Modelfile で num_ctx を 65536 以上に設定し、Cline 側の Context Window Size 設定も揃えます。

Ollama に繋がらない(ECONNREFUSED)

Cline の Base URL の指定間違い、Ollama サービスの未起動、ファイアウォールブロックのいずれかです。まず curl http://localhost:11434/api/tags で Ollama 単独で応答するか確認します。応答しなければ ollama serve を実行して起動状態を確認。WSL2 / Docker 経由の場合は前述のホスト IP 経路の設定が必要です。

生成が遅い(1 tok/s 以下になる)

VRAM 溢れて CPU オフロードが発生している可能性が高いです。nvidia-smirocm-smi で GPU メモリ使用量を確認し、モデルサイズ + num_ctx 分の KV キャッシュが VRAM に収まっているかを見ます。溢れているなら Q4_K_M より低い量子化(Q3_K_M)に落とすか、num_ctx を下げるか、モデルを小型に変えます。

タイムアウトが頻発する

Cline の Request Timeout 設定を長めに(120 秒→ 300 秒など)変更します。ローカル LLM は API より生成が遅いので、大きなタスクをまるごと投げると API 前提のタイムアウトに引っかかります。

Roo Code から Cline に乗り換える場合の対応表

Roo Code 由来の機能を Cline 側で使う場合の対応関係を短くまとめます。

Roo CodeCline での代替
Boomerang TasksCline の Task History + 手動 restart
Custom Modes(Architect / Code / Debug / Ask)Cline の Plan/Act モード切替 + カスタムシステムプロンプト
Per-mode モデル割当Cline の Profile 機能でプロバイダ設定を切替
MCP サーバー連携Cline も MCP 完全対応(設定 UI から追加)

Custom Modes に強く依存していた運用の場合は、Cline の Plan/Act モードとカスタムシステムプロンプトの組合せで代替できるケースが多いですが、完全な機能等価ではない点は割り切りが必要です。

まとめ

  • Cline は VS Code 拡張の OSS コーディングエージェント、Ollama ネイティブ対応・30+ プロバイダで API 従量課金なしのローカル LLM 運用が可能
  • Roo Code は 2026 年 5 月 15 日に extension 開発終了・Roomote クラウド版へピボット。新規は Cline を選ぶ
  • 主力モデルは Qwen3-Coder 30B A3B(24GB VRAM)/ Devstral Small 2 24B(16GB VRAM)/ DeepSeek-Coder-V2-Lite 16B(12GB VRAM)
  • 最大の落とし穴は Ollama デフォルト num_ctx 2K〜4K。Modelfile または OLLAMA_CONTEXT_LENGTH で 65536 以上に広げる
  • .clineignore の徹底で初期コンテキスト 200K → 50K トークン以下、応答速度 2〜3 倍改善
  • 併用は「Claude Code = 本気の実装、Cline + Ollama = 日常の軽い修正」で API 課金と作業効率の両立

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24GB VRAM 級(Qwen3-Coder 30B A3B の主力構成)

価格の注記(2026 年 8 月実測): Amazon.co.jp の RTX 5090 単体は第三者出品者によるマーケットプレイス出品が中心で、上位掲載の実売価格は 86〜90 万円台でした(ASUS TUF / ROG Astral、出品者 B&T)。PC 専門店やメーカー直販の価格も確認してから判断してください。

16GB VRAM 級(Devstral Small 2 24B が主力)

Strix Halo ミニPC(96〜128GB Unified Memory で 70B クラスまで狙う場合)

Apple Silicon 母艦(Ollama の Apple GPU バックエンドで動かす場合)


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よくある質問

Cline とは何ですか?
Cline は VS Code 拡張として動く OSS のコーディングエージェントです。ファイルの読み書き・ターミナル実行・ブラウザ操作・MCP サーバー連携を自律的に組み合わせ、Claude Code や Cursor のエージェントモード相当の操作を VS Code 上で実現します。Anthropic・OpenAI・Google Gemini・OpenRouter・DeepSeek・Alibaba Qwen・Groq などの API プロバイダに加えて、Ollama や LM Studio 経由のローカル LLM もネイティブにサポートしており、2026 年 8 月時点で 30 以上のプロバイダが選べます。API 従量課金なしでコーディングエージェントを回したいなら、Ollama + Cline が現時点のデファクト構成です。
Roo Code はまだ使えますか?
Roo Code の VS Code extension は 2026 年 4 月に開発チームが winding down(段階的終了)を発表し、2026 年 5 月 15 日にリポジトリがアーカイブされて公式メンテナンスは終了しています。チームは Roomote というクラウド製品にピボットしました。既存のインストール済み extension は動作しますが、新規セットアップで OSS コーディングエージェント + Ollama を選ぶなら Cline を第一候補に、代替として Continue.dev を検討する形になります。この記事は Cline を中心に、Roo Code から乗り換える人向けの補足も入れて解説します。
Cline + Ollama で最初に詰まる場所はどこですか?
コンテキスト長(num_ctx)の設定です。Ollama のデフォルトはモデルにより 2K〜4K トークンで、Cline のようなエージェントはツール呼び出しの記録を積み上げるため数ターンで溢れます。溢れると Cline がループするか黙って失敗するので、Modelfile または OLLAMA_CONTEXT_LENGTH で最低 32K、実用は 64K〜128K に広げる必要があります。もう一つのハマりどころが Ollama へのネットワーク到達性で、WSL2 や Docker 経由の場合は base URL のホスト名を localhost から Ollama が動くホスト側の IP に変える必要があります。
VRAM 何 GB あれば Cline + Ollama が実用になりますか?
最低 16GB です。16GB では DeepSeek-Coder-V2-Lite 16B(Q4_K_M で約 10GB)や Devstral Small 2 24B(Q4_K_M で約 15GB)が使え、コンテキストを 32K に抑えれば実用範囲です。24GB あれば Qwen3-Coder 30B A3B(Q4_K_M で約 19GB、256K コンテキスト対応)が入り、実運用の主力になります。48GB あれば Qwen3-Coder 30B A3B を Q8 で回すか、Devstral 系を 128K コンテキストで長時間セッションできます。Qwen3-Coder 480B や GLM-4.6 のような 200GB 級モデルはローカルでは動かせず、Ollama Cloud 経由で使う形になります。VRAM 別の詳細は本文「VRAM 別・推奨モデルマトリクス」を参照してください。
Cline / Ollama のセットアップに必要な PC スペックの目安は?
コーディングエージェント用途で快適に回すには、GPU VRAM 16GB 以上(RTX 4060 Ti 16GB / RTX 3090 24GB / RTX 4090 / RTX 5090)、システムメモリ 32GB 以上、SSD の空き 100GB 以上(複数モデルを試すため)が目安です。Ryzen AI MAX+ 395(Strix Halo)搭載ミニPC のように iGPU に 96〜128GB を割り当てて 70B クラスを回す構成もあり得ますが、生成速度は 5〜8 tok/s とやや遅めなので、コーディングエージェントの体感を優先するなら 24〜48GB VRAM の dGPU 構成が現実的です。PC 構成の詳細は [ローカルLLM コーディングエージェント PC ガイド 2026年版](/blog/local-coding-agent-llm-pc-guide-2026/) を参照してください。
Claude Code と Cline はどちらを使うべきですか?
両方併用が最良の答えです。Claude Code はターミナル駐在型で複数リポジトリを横断する調査・大規模リファクタに強く、Anthropic Claude モデルの完成度で仕上げます。Cline は VS Code エディタ内で動くため、ファイル差分の確認・部分適用・エディタ操作との相性がよく、Ollama 経由のローカル LLM で無料で長時間回せます。「本気の実装は Claude Code、日常のコード提案・軽い修正はローカル LLM + Cline」という使い分けで API 課金と作業効率の両立が可能です。Claude Code 側の PC 要件は [Claude Code PC スペック要件ベンチマーク 2026年版](/blog/claude-code-pc-spec-benchmark-2026/) にまとめています。
Qwen3-Coder 30B A3B は普通の 30B と何が違いますか?
30B の総パラメータ数のうち、推論時にアクティブになるのは 3.3B だけ(Mixture-of-Experts、A3B は Active 3B の略)という構造です。VRAM 使用量は 30B モデルの Q4_K_M で約 19GB と 30B 相応ですが、実際に計算するのは 3.3B 分なので、Dense 30B モデルより格段に速く動きます。256K のネイティブコンテキストにも対応しており、Ollama Library の qwen3-coder:30b タグで直接プルできます。2026 年 8 月時点で「24GB VRAM で無料で使えるコーディング用ローカル LLM」としては最有力です。
GLM-4.6 や Qwen3-Coder 480B はローカルで動きますか?
個人 PC ではほぼ動きません。Qwen3-Coder 480B は Q4 量子化でも約 200GB、GLM-4.6 も同規模で、単一 GPU の VRAM には収まらず、CPU オフロード込みで動かしても実用速度に達しません。両モデルは Ollama Cloud で提供されており、ollama.com のクラウド API 経由で試す形が現実的です。ローカル完結で選ぶなら Qwen3-Coder 30B A3B(24GB VRAM)、Devstral Small 2 24B(16GB VRAM)、DeepSeek-Coder-V2-Lite 16B(10〜12GB VRAM)の 3 択が主力です。
Cline + Ollama のトークン消費を抑えるには?
3 つの手段が有効です。1 つ目は .clineignore の徹底で、node_modules・dist・.next・キャッシュ類・大量ログを除外するだけで初期コンテキストが 200K トークンから 50K トークン以下に縮みます。2 つ目はモデルの起動時 num_ctx を必要最小限(32K〜64K)に設定し、KV キャッシュのメモリと生成速度を確保することです。3 つ目は Cline の Terminal 出力抑制・ファイル読込み後の再読込回避などの設定で、Cline は最近のバージョンで冗長なファイル再読込を自動的にコンテキストから外す機能を持っています。従量課金 API を併用している場合は、これらでコストが 3〜10 倍変わります。