ローカルLLM向けGPUの選び方ガイド 2026年版:必要VRAMから逆算して RTX 5060 Ti 16GB 〜 RTX PRO 6000 まで選ぶ
ローカルLLM用にGPUを選ぶなら、動かしたいモデルのサイズからVRAMを逆算します。RTX 5060 Ti 16GB / 5070 Ti / 5080 / 5090 / RTX PRO 6000 と中古3090を、VRAM・メモリ帯域・価格・tok/secで整理し、予算別に失敗しない選び方をまとめました。
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結論:ローカルLLM用GPUは「動かしたいモデル → 必要VRAM → GPU」の順で逆算します。14B級までなら RTX 5060 Ti 16GB(実勢8〜10万円)、32B〜70Bと速度を狙うなら RTX 5090(32GB・帯域1,792GB/s)、Q8/FP16や100B級を単体で扱うなら RTX PRO 6000 Blackwell(96GB)。安く大容量を作るなら中古 RTX 3090 24GB の2枚刺しで48GB、が2026年6月の現実解です。
ローカルLLM用のGPU選びでいちばんやってはいけないのは、「ゲーム性能(FPS)のランキング」で選ぶことです。LLMではコアの速さよりVRAM容量とメモリ帯域が効きます。この記事は、個別スペック対決ではなく「動かしたいモデルから逆算して、失敗しないGPU階層にたどり着く」意思決定フローとして書きます。価格は変動が大きいので、すべて2026年6月時点の実勢レンジとして扱ってください。
ステップ0:まず「動かしたいモデル」を決める
GPUから選ぶと失敗します。先に「何を動かしたいか」を決め、そこからVRAMを逆算します。Q4_K_M(実用量子化)を基準にした必要VRAMの目安です。
| 動かしたいモデル | Q4_K_M の重み目安 | 必要VRAM目安(KVキャッシュ込み) |
|---|---|---|
| 7〜8B(軽量チャット・要約) | 約 5GB | 8GB |
| 13〜14B(日常実用の主力) | 約 9GB | 12〜16GB |
| 30〜32B(論理・コードが安定) | 約 20GB | 24GB |
| 70B(業務エージェント水準) | 約 40〜43GB | 48GB(32GBはギリギリ) |
| 100B+ MoE / Q8・FP16 運用 | 70GB〜 | 96GB〜 |
この表の「必要VRAM」を満たす最も安いGPUを選ぶ、というのが基本戦略です。どのモデルがどのVRAMに乗るかの一覧は「VRAM別 ローカルLLMモデル早見表 2026年版」が詳しいです。
ステップ1:GPUを選ぶ4つの軸(FPSではない)
LLM用途で見るべきスペックは、ゲームとは順番が違います。
- VRAM容量(最重要):これが「そもそも乗るか」を決める。足りなければCPUオフロードで速度が桁落ちする。
- メモリ帯域(GB/s):モデルが乗っている前提で、tok/sec を主に決めるのがこれ。容量の次に効く。
- 価格:LLMは「速いGPU1枚」より「VRAMの大きいGPU」が効くため、コスパの基準がゲームと違う。
- 消費電力・電源:5090級は最大消費が大きく、電源・ケースまで含めた設計が必要。
「容量が足りないと、いくらコアが速くても遅い」。これがLLM GPU選びの一丁目一番地です。なぜ帯域が tok/sec を決めるのかは「メモリ帯域幅(GB/s)がローカルLLMの tok/sec を決める仕組み 2026年版」で仕組みから解説しています。
ステップ2:GPU横断比較表(2026年6月時点)
LLM用途で候補に挙がる主要GPUを、容量・帯域・価格・動かせる規模で並べます。価格は変動が激しいため幅で示します。
| GPU | VRAM | メモリ帯域目安 | 実勢価格(2026年6月) | 快適に動く規模(Q4_K_M) |
|---|---|---|---|---|
| RTX 5060 Ti 16GB | 16GB GDDR7 | 中位 | 8〜10万円 | 〜14B |
| RTX 5070 Ti | 16GB GDDR7 | 高位 | 15〜18万円 | 〜14B(速度に余裕) |
| RTX 5080 | 16GB GDDR7 | 高位 | 20〜23万円 | 〜14B(32B以上は不利) |
| RTX 5090 | 32GB GDDR7 | 1,792 GB/s | 55〜69万円(品薄変動・中古37万〜) | 32B快適 / 70B Q4ギリギリ |
| RTX PRO 6000 Blackwell | 96GB GDDR7 | 最高位 | 約160〜164万円($13,250) | 70B Q8 / 100B+ |
| 中古 RTX 3090 | 24GB GDDR6X | 中上位 | 14〜18万円 | 32B / ×2で70B |
注意点を2つ。RTX 5080 は VRAM が16GB止まりで、32B以上を回すとCPUオフロードが発生して速度が激減します。ゲームでは強いカードですが、LLMで32B超を狙うなら避けるか、5090へ一気に上げるのが正解です。もう一つ、RTX 5090 は品薄で価格が大きく揺れています。新品55〜69万円、中古でも37万円前後の報告があり、購入タイミングの影響が大きいGPUです。
ステップ3:予算別の推奨構成
逆算の結論を「予算」に落とし込みます。
| 予算 | 推奨 | 動かせる規模 | コメント |
|---|---|---|---|
| 〜10万円 | RTX 5060 Ti 16GB | 〜14B | ローカルLLM入門の本命。16GBで日常用途は十分 |
| 〜20万円 | RTX 5070 Ti / 中古3090 | 〜14B / 32B | 速度を取るなら5070 Ti、容量を取るなら中古3090 |
| 〜30万円 | 中古 RTX 3090 ×2(48GB) | 70B Q4 | コスパ最強の大容量。電源・ケース設計は要注意 |
| 〜70万円 | RTX 5090 | 32B快適・70B Q4 | 速度と容量のバランス頂点。単体運用の本命 |
| 100万円〜 | RTX PRO 6000 Blackwell | 70B Q8・100B+ | Q8/FP16を単体で扱える唯一級。業務・研究向け |
**安く大容量を狙うなら中古 RTX 3090 24GB の2枚刺し(合計48GB)**が2026年でも有効です。70B Q4 が無理なく乗り、新品5090の半額以下で組めます。ただし2枚分の電源(合計700W級の余裕)とケースのエアフロー、PCIeレーンの確保が前提で、初心者には組み立てハードルが上がります。中古GPUの選び方とリスクは「中古GPUでローカルLLM機を組む 2026年版」にまとめました。
よくある失敗3パターン
最後に、相談でよく見る「買ってから後悔する」パターンを3つ。
- FPSランキングで5080を買って32Bが動かない:5080は16GB。LLMで32B超を狙うなら5090か、容量重視で中古3090系へ。
- VRAMだけ見て帯域を忘れる:統合メモリ128GBのミニPCは「乗る」が、帯域が低いと70Bの tok/sec が一桁になることもある。容量と帯域は両方見る。
- 電源を後回しにする:5090や3090×2は瞬間消費が大きい。GPUだけ買って電源が足りず起動不良、は定番の失敗。電源は余裕を持って選ぶ。
5090 と PRO 6000 のAI用途での直接比較は「RTX 5090 vs 4090 vs PRO 6000 — AI用途で選ぶGPU 2026」で扱っています。本記事で階層を掴んだら、最終候補の2枚をそちらで突き合わせると判断が固まります。
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予算別の「本命」3枚を入手先としてまとめます。
- NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 16GB を Amazon.co.jp で見る:8〜10万円、ローカルLLM入門の本命(〜14B)
- NVIDIA GeForce RTX 5090 を Amazon.co.jp で見る:32GB・帯域1,792GB/s、速度と容量の頂点(32B快適・70B Q4)
- NVIDIA GeForce RTX 3090(中古/24GB)を Amazon.co.jp で見る:2枚で48GB、コスパ重視の大容量構成
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よくある質問
- ローカルLLM用GPUはVRAMが何GBあればいいですか?
- 動かしたいモデルのサイズから逆算します。Q4_K_M量子化を前提に、7〜8Bなら8GB、13〜14Bなら12〜16GB、30〜32Bなら24GB、70Bなら重みだけで約40GBになるため32GBでもギリギリ、余裕を持たせるなら48GB以上が目安です。「まず動かしたいモデル → 必要VRAM → そのVRAMを満たすGPU」の順で選ぶと失敗しません。
- ローカルLLMにはRTX 5090とRTX 5060 Ti 16GBのどちらがいいですか?
- 予算と動かす規模次第です。14B級までの日常用途なら RTX 5060 Ti 16GB(実勢8〜10万円前後)で十分実用になります。32B〜70Bまで視野に入れる、または速度を最優先するなら VRAM 32GB・メモリ帯域1,792GB/sの RTX 5090 が決定的に有利です。5080は16GB止まりで32B以上がCPUオフロードになり速度が激減するため、LLM目的では5090か5060 Ti 16GBの二択が現実的です。
- tok/secはVRAM容量とメモリ帯域のどちらで決まりますか?
- モデルが丸ごとVRAMに乗っている前提では、生成速度(tok/sec)を主に決めるのはメモリ帯域です。RTX 5090のGDDR7は1,792GB/sで前世代を大きく上回り、これが高速化の核です。逆にVRAMが足りずCPUにオフロードされると速度は桁で落ちるため、まず『乗ること(容量)』、次に『速いこと(帯域)』という優先順位になります。