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ローカル動画生成AI向けPC構成ガイド 2026年版:Wan 2.2 / HunyuanVideo を ComfyUI で動かすVRAMとメモリの決め方

ローカル動画生成は画像生成よりVRAM・システムRAMの要求が一段重い領域です。Wan 2.2(14B/5B)とHunyuanVideoをComfyUIで動かすために、T5エンコーダのCPUオフロードとGGUF量子化で12GB機から動かす構成、24GB/32GB/48GBで快適になる目安、システムRAM64GBが効く理由まで、用途別に必要スペックを実数値で示します。

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ローカル動画生成AI向けPC構成 2026:Wan 2.2 / HunyuanVideo を ComfyUI で動かすVRAM・RAMの決め方

結論:ローカル動画生成のPCは「VRAMだけ見て選ぶと詰む」のが画像生成との最大の違いです。Wan 2.2 14B はフル精度なら54〜65GBとデータセンター級ですが、T5エンコーダをCPUへオフロードし transformer を GGUF 量子化すれば6〜8GBまで圧縮でき、RTX 4070 / RTX 3060 12GB でも動きます。入口は RTX 5060 Ti 16GB + システムRAM 64GB、快適ラインは RTX 5090 32GB + 64GB、長尺・高解像度なら 48GB 超の世界。VRAMの数字より先に「オフロード先のシステムRAMを 64GB 積めるか」を確認するのが構成の要です。

「ローカルで動画生成AIを動かしたい」という需要は、Wan 2.2 や HunyuanVideo といったオープンソースモデルが出揃った2025年後半から一気に増えました。ただ、画像生成(SDXL / Flux.1)の感覚でVRAMだけを基準にPCを組むと、ロードはできても生成が始まらない、あるいはシステムRAMが足りずにスワップで実用にならない、という詰み方をします。本記事では Wan 2.2 / HunyuanVideo を ComfyUI で動かす前提で、VRAM・システムRAM・ストレージの決め方を用途別に整理します。

動画生成GPUの実測スループットを先に知りたい場合は「ローカル動画生成 GPU別VRAMベンチマーク 2026年版」で測定値をまとめています。本記事はその「測った後に、結局何を買って組むか」を扱う構成ガイドです。

動画生成が画像生成より一段重い理由

まず、なぜ画像生成ガイドの構成では足りないのかを押さえます。動画生成のVRAMは、画像生成にはない3つの軸で膨らみます。

  • フレーム数 × 解像度 × ステップ数でVRAMが伸びる:画像は1枚(1フレーム)ですが、動画は数十〜100フレームを同時にデノイズします。720p 5秒(約81フレーム)と480p 3秒では、必要VRAMが2〜3倍変わります。
  • テキストエンコーダが巨大:Wan 2.2 / HunyuanVideo は T5-XXL(約9.4B、FP16で約9.4GB) という大型テキストエンコーダを使います。これを GPU に常駐させるとそれだけで10GB近くを食います。
  • モデル本体が大きい:Wan 2.2 14B は transformer 本体だけで FP16換算30GB前後、パイプライン全体(VAE・エンコーダ込み)では54〜65GBに達します。

この3つが重なるため、Flux.1 dev(FP16で24GB)の感覚で「24GBあれば動画も余裕」と考えると、フレーム数を増やした瞬間に OOM(メモリ不足)で止まります。

鍵は T5 エンコーダの CPU オフロード

消費者向けGPUで動画生成を成立させている最大の仕組みが、T5-XXL エンコーダのCPUオフロードです。

動画生成の処理は大きく2段階に分かれます。

  1. テキストエンコード:プロンプトを T5-XXL でベクトル化する。最初の一瞬だけ動く。
  2. デノイズ(拡散):transformer がフレーム群を反復生成する。生成時間のほぼ全部はここ。

ポイントは、(1) が終わると T5 はほぼアイドルになることです。だから T5 を GPU VRAM ではなく CPU 側のシステムRAMに置く(オフロードする)ことで、約9.4GB分のVRAMをまるごと transformer の生成に回せます。ComfyUI なら --lowvram / --novram 系のオプションや、T5 を CPU 指定するノードでこれを実現します。

ここから導かれる構成の鉄則が「システムRAM 64GB が効く」です。T5(約9.4GB)に加えて、オフロード対象になるVAEデコードや一時バッファもRAMに乗るため、32GBだとモデル切り替えや高解像度でスワップが発生しやすい。動画生成では VRAM の次に、いやVRAMと同じくらい システムRAMの容量 を見るべき、というのが画像生成ガイドとの決定的な違いです。

モデル別:必要VRAMと量子化の目安

2026年6月時点で、ローカル動画生成の主力になるモデルとVRAM目安を整理します。

モデルパラメータFP16フルパイプ量子化+オフロード実用GPU目安
Wan 2.2 14B (T2V/I2V)14B(MoE化)54〜65GBGGUF Q4+T5オフロードで6〜8GBRTX 4070 / 3060 12GB〜
Wan 2.2 5B (TI2V)5B約16〜20GBネイティブオフロードで8GB級RTX 4060 Ti 16GB / 5060 Ti〜
HunyuanVideo-1.58.3B約30〜40GBオフロード時 最低14GB(低品質)RTX 4080 / 5070 Ti〜
HunyuanVideo(無印・13B)13B47〜58GBFP8+Tiling で約8GB〜RTX 4090 / 5090〜

注意点を3つ。

  • 「動く」と「快適」は別:Wan 2.2 14B を GGUF Q4 で 12GB機に押し込むことは可能ですが、720pで1本数十分という待ち時間になります。「待てるか」で実用ラインが変わります。
  • 5B TI2V が現実的な入口:Wan 2.2 の5BモデルはComfyUIのネイティブオフローディングで8GB級に収まり、16GBのGPUなら快適に回せます。まず動画生成を試すなら5Bから入るのが手堅い。
  • HunyuanVideo-1.5(2025-11リリース)は最低14GB:オフロード前提・低品質設定での最低ラインで、フル品質はH100 80GB級が必要です。消費者GPUでは品質を割り切る前提になります。

Wan 2.2 が 2.1 の dense(密)構造から MoE(Mixture of Experts)化 された点も、なぜ14Bでも比較的軽く動かせるかの背景です。MoEの仕組みは「ローカルLLMの MoE(Mixture of Experts)とは 2026年版」で詳しく扱っています。

VRAM容量別の推奨構成

ここまでの判断軸を、買うべき構成に落とし込みます。

12GB(RTX 4070 / 3060 12GB):お試し・割り切り

項目構成
GPURTX 4070 12GB / RTX 3060 12GB
システムRAM64GB DDR5(T5オフロード前提で64GB必須)
CPURyzen 7 9700X / Core Ultra 5 245K
ストレージNVMe Gen4 2TB
できることWan 2.2 14B GGUF Q4、5B TI2V、480p中心。待ち時間長め

12GBでも64GBのシステムRAMさえ積めば Wan 2.2 14B は GGUF量子化で動きます。ただし720pは厳しく、480pの短尺で「ローカルで動画生成を体験する」段階。GPUが12GBでもRAMをケチると詰むので、ここを64GBにするのが最重要です。

16GB(RTX 5060 Ti 16GB / 4060 Ti 16GB):実用の入口

項目構成
GPURTX 5060 Ti 16GB
システムRAM64GB DDR5-6000
CPURyzen 7 9700X / Core Ultra 7 265K
ストレージNVMe Gen4 2TB
できること5B TI2V 快適、14B GGUF Q4〜Q5、480〜720p

16GBあれば Wan 2.2 5B はオフロードなしに近い形で快適に回り、14Bも GGUF で実用域に入ります。コストを抑えて動画生成を「ちゃんと使う」最初の現実的なラインです。

24GB / 32GB(RTX 4090 24GB / RTX 5090 32GB):快適ライン

項目構成
GPURTX 5090 32GB(または RTX 4090 24GB)
システムRAM64GB DDR5-6000
CPURyzen 9 9900X / Core Ultra 7 265K
ストレージNVMe Gen4 4TB
できることWan 2.2 14B FP8+T5をGPU常駐で快適、720p、HunyuanVideo FP8

24GB超になると Wan 2.2 14B を FP8 で回しつつ、T5 を GPU に常駐させたまま生成できる場面が増え、オフロードのオーバーヘッドが減って体感が一段速くなります。RTX 5090 32GB は HunyuanVideo(13B)FP8 までカバーでき、ローカル動画生成の「快適に常用する」本命ライン。動画と並行して画像生成・LLMもこなしたいなら32GBが効きます。

48GB超(RTX PRO 6000 / マルチGPU):長尺・高解像度・業務

項目構成
GPURTX PRO 6000 Blackwell 96GB / RTX 5090 ×2
システムRAM128GB DDR5
CPURyzen 9 9950X / Core Ultra 9 285K
ストレージNVMe Gen4 4TB+データHDD
できることWan 2.2 14B FP16、HunyuanVideo フル品質寄り、長尺・高解像度

長尺(10秒超)や1080pをフル品質で狙う、あるいはバッチで量産する業務用途はここから上です。フレーム数を増やすほどVRAMが線形に伸びるため、48GB・96GBが効きます。ただし個人の創作なら32GBで多くは足り、ここは「動画生成を仕事にする」層の領域です。

CPU・ストレージの考え方

  • CPU:画像生成同様、生成自体はGPU律速で、CPUは中堅クラス(Ryzen 7 / Core Ultra 5〜7)で十分です。ただしT5オフロードでCPU側がエンコードを担う一瞬があるため、極端な低クロックは避けます。
  • ストレージ:動画生成モデルは1本が重い。Wan 2.2 14B は FP16で30GB超、量子化版でも10GB前後、VAEやエンコーダ込みで一式数十GB。複数モデルを試すなら NVMe Gen4 4TB を推奨します。出力動画も解像度次第で容量を食います。Gen5にする実利は薄く、Gen4で十分です(参考: PCIe Gen5 vs Gen4 NVMe SSD 2026年版)。

まとめ:迷ったら

  • まず試したい・予算重視 → RTX 5060 Ti 16GB +システムRAM 64GB + NVMe 2TB
  • 常用して快適に → RTX 5090 32GB + 64GB RAM + NVMe 4TB
  • 12GB GPUしかない → 諦める前にRAMを64GBにして Wan 2.2 5B / 14B GGUF から
  • 長尺・高解像度を仕事に → RTX PRO 6000 96GB / RTX 5090 ×2 + 128GB RAM

動画生成PCの鉄則は「VRAMの数字の前に、オフロード先のシステムRAMを 64GB 確保する」こと。T5エンコーダのCPUオフロードが消費者GPUで動かす生命線で、ここを理解せずVRAMだけで選ぶと、GPUは足りているのにRAMで詰まります。逆に言えば、64GB RAM さえ積んでおけば、12GBのGPUでも Wan 2.2 を動かす入口には立てます。

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本文で挙げた構成の中核パーツを用途別にまとめます。動画生成では GPU と並んで「オフロード先のシステムRAM」が要になるため、メモリは余裕を持って選んでください。

GPU(VRAM容量別)

システムRAM(オフロード先・64GBが要)


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