MacBook Pro M4 32GB vs RTX 5070 / RTX 5070 Ti ローカルLLM 実機比較 2026年版:32GBユニファイドメモリと8/16GB VRAMでどこまで動くか
MacBook Pro M4 32GB と RTX 5070 8GB / RTX 5070 Ti 16GB を「ローカルLLMで何B動くか」「tok/sec はどちらが速いか」「価格対効果」で実機比較します。32GB ユニファイドメモリと VRAM 8/16GB はモデル選択の上限を大きく分けます。
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結論:7〜13B 級を最速で回したいなら RTX 5070 Ti 16GB(8B Q4 で約 65〜105 tok/sec、Llama や Qwen の中小型を高速で叩く用途に最適)。14B〜32B Q4 を1台で快適に動かしたいなら MacBook Pro M4 base 32GB(32GB を VRAM 同然に使える反面、120 GB/s の帯域で速度は控えめ)。RTX 5070 8GB は LLM 主目的では選びにくく、7B Q4 が事実上の上限。70B 級は両者とも厳しく、本格運用は M4 Max 128GB や RTX 5090 32GB へステップアップが必要です。「速度を取るか、容量を取るか」のトレードオフが本質で、自分が常用する模型サイズで割り切るのが失敗しないコツです。
ローカルLLM をやる人にとって「MacBook Pro M4 32GB と RTX 5070 / 5070 Ti、結局どっちを買えばいいのか」は決定的な分かれ道です。検索でも「gpu macbook pro m4 32gb vs rtx5070 ローカルllm」というクエリが出ているくらい、迷っている人が多い。本記事では、ユニファイドメモリ 32GB と VRAM 8/16GB の構造的な違いから始めて、動かせるモデルの上限・tok/sec・価格対効果・消費電力までを横並びで整理します。
本記事の tok/sec はメーカー公称値ではなく、コミュニティのベンチマーク(llama.cpp / MLX / vLLM 等)と本サイトの集計から見立てた値です。モデル・量子化・コンテキスト長・ランタイムによって 30% 程度は変動します。同じ Llama 3.1 8B Q4 でも、KV キャッシュをどう持つかで結果は変わります。あくまで「どちらが速いかの大づかみ」として読んでください。
比較対象を整理:M4 base 32GB / RTX 5070 8GB / RTX 5070 Ti 16GB
まず「比べているもの」を揃えます。本記事では以下の3機種を主軸にし、ノート版 RTX 5070 Laptop を補足として扱います。
| 項目 | MacBook Pro 14” M4 base 32GB | RTX 5070 8GB(デスクトップ) | RTX 5070 Ti 16GB(デスクトップ) |
|---|---|---|---|
| メモリ容量 | 32GB Unified Memory | 8GB GDDR7 | 16GB GDDR7 |
| メモリ帯域 | 約 120 GB/s | 約 672 GB/s | 約 896 GB/s |
| GPU コア | 10コア(M4 base) | CUDA 6,144 / 第5世代 RT / 第4世代 Tensor | CUDA 8,960 / 第5世代 RT / 第4世代 Tensor |
| TDP/TGP(推論時概算) | 約 25W | 約 250W | 約 300W |
| 形態 | ノート(持ち運び可) | デスクトップ単体 GPU | デスクトップ単体 GPU |
| 価格目安(2026年6月) | 約 26万円〜(Apple 直販) | 約 9〜11万円(GPU 単体) | 約 13〜16万円(GPU 単体) |
ここで意識しておきたいのが、比べているのが「ノート1台」と「デスクトップ GPU 単体」だという点です。RTX 5070 / 5070 Ti を活かすには別途デスクトップ本体(CPU・マザボ・電源・ケース)が必要で、合計コストは GPU 単体価格の 1.5〜2 倍になります。MacBook Pro M4 32GB の 26万円と単純比較するなら、RTX 5070 Ti を載せた自作 PC 一式 25〜30万円との比較が正しい目線です。
ノート版 RTX 5070 Laptop は VRAM 8GB(モバイル版)かつ TGP が大きく絞られるため、デスクトップ版より実効性能は概ね 60〜70% に落ちます。MacBook Pro M4 32GB と Windows ノートでの比較なら、ノート版 RTX 5070 Laptop は VRAM 8GB の壁で 7B Q4 が上限となり、ローカルLLM 用途では MacBook Pro M4 32GB のほうが「動くモデルの幅」では有利になります。詳しくは ローカルLLM・AI開発が動くノートPCの選び方ガイド 2026年版 で扱っています。
動かせるモデルの上限早見表
ローカルLLM で最も重要なのは、まず「載るか・載らないか」です。tok/sec はその次の議論。
| モデル / 量子化 | M4 base 32GB | RTX 5070 8GB | RTX 5070 Ti 16GB |
|---|---|---|---|
| Llama 3.1 8B Q4(約 5GB) | ◎ 余裕 | ◎ 余裕 | ◎ 余裕 |
| Mistral 7B Q5(約 6GB) | ◎ 余裕 | ◎ 余裕 | ◎ 余裕 |
| Qwen 2.5 14B Q4(約 9GB) | ◎ 快適 | △ Q3 でも溢れる | ◎ 快適 |
| Qwen 3 32B Q4(約 19GB) | ○ 動く(速度控えめ) | × 載らない | △ KV キャッシュ込みでギリギリ |
| Llama 3.3 70B Q4(約 40GB) | △ Q3 でギリギリ | × 論外 | × 論外 |
| Llama 3.3 70B Q3(約 30GB) | ○ ギリギリ載る | × 論外 | × 載らない |
M4 base 32GB の強みは「32B Q4 が1台に載る」点です。RTX 5070 Ti 16GB では KV キャッシュを長く持つと 32B Q4 は溢れて RAM オフロードが発生し、実効速度が一桁落ちます。「14B〜32B を常用する」層には M4 base 32GB が現実的な選択肢になります。
一方、RTX 5070 Ti 16GB の守備範囲は 7〜14B 級。ここを高速で叩くワークロード(コード補完、エージェント反復、検索拡張)では帯域 896 GB/s が圧倒的に効きます。RTX 5070 8GB はもう一段下で、7B Q4 が事実上の上限。13B Q3 でも詰まるので、LLM 主目的なら Ti を選ぶ意味が大きいです。
VRAM 別の対応モデル早見表は ローカルLLM VRAM容量別モデル早見表 2026年版 にまとめています。
tok/sec 実勢:RTX 5070 Ti が「速さ」では圧倒
「動く」だけでなく「どれくらいの速度で動くか」が次の論点です。代表的なモデルで見立てた tok/sec を並べます。
| モデル / 量子化 | M4 base 32GB | RTX 5070 8GB | RTX 5070 Ti 16GB |
|---|---|---|---|
| Llama 3.1 8B Q4 | 約 15〜25 tok/sec | 約 50〜70 tok/sec | 約 65〜105 tok/sec |
| Qwen 2.5 14B Q4 | 約 10〜17 tok/sec | 載らず | 約 35〜55 tok/sec |
| Qwen 3 32B Q4 | 約 5〜8 tok/sec | 載らず | 約 12〜18 tok/sec(KV キャッシュ次第) |
| Llama 3.3 70B Q3 | 約 3〜5 tok/sec | 載らず | 載らず |
この差はメモリ帯域差にほぼ一致します。RTX 5070 Ti の 896 GB/s は M4 base の 120 GB/s の約 7.5 倍で、同じ Llama 3.1 8B Q4 で見ると tok/sec も概ね 4〜5 倍に開きます(コア・キャッシュ設計の差で帯域比そのままにはなりません)。
つまり「7〜13B を高速に叩きたい」用途では RTX 5070 Ti が圧倒的に速い一方、M4 base 32GB は速度ではなく『1台に乗る容量の大きさ』で勝負するマシンです。14B〜32B Q4 が動くこと自体が他には代えがたい価値で、tok/sec が控えめでも「対話用途・エディタ補完・夜間バッチ」のような使い方なら十分実用になります。
Mac 上で MLX と llama.cpp を切り替えると速度がさらに 30〜50% 変わる場合もあるので、ランタイム選びも実用上は無視できません。詳しくは MLX vs llama.cpp:Apple Silicon ローカルLLM ランタイム比較 2026年版 を参照してください。
価格対効果:用途で正解が割れる
価格を揃えて評価するなら、以下の3パターンに分かれます。
パターン1:7〜13B を高速で叩きたい → RTX 5070 Ti 一択
8B 級が主戦場で、エディタ補完・コード生成・エージェント反復のように「tok/sec が体感に直結する」用途なら、RTX 5070 Ti 16GB がコスパで圧倒します。自作 PC 一式(CPU + マザボ + メモリ + 電源 + ケース + SSD + GPU)で 25〜30万円程度。同価格帯の MacBook Pro M4 base 32GB と比べて、8B Q4 で 3〜4 倍速い。「速度こそ正義」の層には外せません。
パターン2:14〜32B を1台で動かしたい → M4 base 32GB が現実解
「中型モデルを1台で動かしたい、出先でも触りたい」なら、M4 base 32GB が「現実的に1台で完結する」唯一の選択肢に近い。RTX 5070 Ti 16GB では 32B Q4 が KV キャッシュ込みで溢れるリスクが高く、安定運用には RTX 5080/5090 まで上げるか、24GB が見えてくる RTX 50 SUPER 待ち(RTX 50 SUPER は待つべきか 2026年版)が選択肢になります。「ノートで完結し、外でもモデルが動く」価値は、デスクトップでは得られません。
パターン3:70B 級を本気で動かしたい → どちらも力不足
70B 級は両者とも厳しく、本気でやるなら 64〜128GB の MacBook Pro M4 Max / M5 Max、Mac Studio M3 Ultra、または RTX 5090 32GB 単機〜複数枚構成が必要です。本記事の3機種は「70B には届かないが、その手前を実用速度で動かす」レンジと割り切るのが安全です。
ユニファイドメモリと NVIDIA VRAM の構造的な違いは Apple Silicon の Unified Memory と NVIDIA VRAM、ローカルLLM では何が違うのか 2026年版 でより深く扱っています。
消費電力と電気代:M4 base が圧倒的に有利
見落とされがちな軸が消費電力です。LLM 推論を1日8時間動かす想定で電気代を概算します。
| 項目 | M4 base 32GB(推論時) | RTX 5070 Ti 16GB(推論時) |
|---|---|---|
| 消費電力 | 約 25W | 約 300W(GPU 単体)+ システム 100W = 400W |
| 1日8時間 × 30日 | 0.025 × 8 × 30 = 6 kWh | 0.4 × 8 × 30 = 96 kWh |
| 月電気代(30円/kWh) | 約 180円 | 約 2,880円 |
差は月 2,700円、年間で 32,000円。RTX 5070 Ti は M4 base の約 16 倍の電気代を食う計算になります。常時稼働でモデルを叩き続けるなら、この差は3〜5年で 10〜15万円になり、初期費用の差を埋めてきます。電力効率は M4 base の決定的な強みです。
ただし、これは「常時 GPU を張り付かせる」シナリオでの最大差。一般的な使い方(必要なときだけ叩く)なら稼働率は 10〜30% 程度で、実勢の差は月数百円〜1,000円程度に収まります。判断軸としては「24時間稼働するエージェント運用なら効く、対話中心ならそこまで差は出ない」と読むのが妥当です。
どちらを選ぶか:3つの質問で割り切る
煽らずに整理すると、購入前に答えるべきは次の3つだけです。
- 常用するモデルは何 B か → 7〜13B 中心 = RTX 5070 Ti、14〜32B 中心 = M4 base 32GB
- 持ち運び需要があるか → ある = M4 base、ない = RTX 5070 Ti
- tok/sec か容量か、どちらが先に効くか → 速度 = RTX 5070 Ti、容量 = M4 base
「両方欲しい」なら、本記事のレンジを超えて RTX 5090 32GB + 自作デスクトップ、または MacBook Pro M4 Max 64GB 以上にステップアップする必要があります。本記事の3機種は「価格 25〜30万円帯で、それぞれが得意とする土俵に振り切ったマシン」と理解するのが実態に近い。
まとめ
- 速さなら RTX 5070 Ti 16GB:8B Q4 で 65〜105 tok/sec、7〜14B 中心の高速ワークロードに最強
- 容量なら MacBook Pro M4 base 32GB:14〜32B Q4 が1台に乗る、ノートで完結する持ち運び性も強み
- RTX 5070 8GB は LLM 主目的では選びにくい:VRAM 上限で 7B Q4 が事実上の上限、Ti との差額は払う価値あり
- 70B 級は両者とも力不足:M4 Max 128GB / Mac Studio / RTX 5090 へステップアップが必要
- 電気代は M4 base が圧倒的に有利:24時間稼働なら年 3万円差、対話中心ならそこまで効かない
「どちらが正解か」ではなく、自分が常用するモデルサイズと使い方で割り切るのが失敗しない選び方です。迷ったら「今 16GB で詰まっているか」を起点にしてください。詰まっているなら M4 base 32GB、詰まっていないなら RTX 5070 Ti が素直な選択になります。
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よくある質問
- MacBook Pro M4 32GB と RTX 5070 Ti 16GB はローカルLLM でどちらを選ぶべきですか?
- 動かしたいモデルのサイズで分かれます。本記事の早見表に整理したとおり、7〜13B 級を最速で回したいなら RTX 5070 Ti 16GB(896 GB/s の広帯域で 8B Q4 が約 65〜105 tok/sec)。14B〜32B Q4 を1台で快適に動かしたいなら MacBook Pro M4 32GB(32GB を VRAM 同然に使えるので RTX 5070 Ti 16GB では溢れる 14B〜32B Q4 が載る、ただし 120 GB/s の帯域で速度は控えめ)。「速度を取るか容量を取るか」のトレードオフが本質です。
- MacBook Pro M4 base 32GB で 70B のローカルLLM は動きますか?
- Q3〜Q4 の低ビット量子化なら片足が乗りますが、快適とは言えません。70B Q4(約 40GB)は M4 base 32GB のユニファイドメモリ枠を超えるため、メモリスワップが発生し実用速度が出ません。Q3〜IQ系の量子化で 35GB 前後に落とせばギリギリ載りますが、120 GB/s の帯域がボトルネックとなって 5 tok/sec 前後にとどまる見込みです。70B 級を本格的に動かしたいなら、64〜128GB の M4 Max / M5 Max クラスや Mac Studio M3 Ultra が現実解で、M4 base 32GB の守備範囲は 14B〜32B Q4 までと割り切るのが失敗しないコツです。
- RTX 5070 8GB と RTX 5070 Ti 16GB、ローカルLLM 用途ならどちらを選ぶべきですか?
- ローカルLLM が主目的なら RTX 5070 Ti 16GB 一択です。RTX 5070 8GB は VRAM 上限が低く、7B Q4 が実質の上限で 13B Q3〜Q4 はもう溢れます。一方 RTX 5070 Ti 16GB なら 13B Q4 が快適、14B Q5、32B Q3〜Q4 境界まで一段広がります。価格差は1.5〜2万円程度ですが、VRAM 16GB は『動かせるモデルの幅』を決定的に分けるため、ローカルLLM 目的の人は迷わず Ti を選ぶのが正解です。RTX 5070 8GB はゲーミング主体・LLM は試す程度の人向けです。
- ノート版 RTX 5070 Laptop と デスクトップ RTX 5070、ローカルLLM で同じ性能が出ますか?
- 出ません。RTX 5070 Laptop は同じ Blackwell 世代でも TGP(消費電力枠)がデスクトップより大きく絞られており、メモリ帯域・コア駆動クロックともに落ちます。実効性能はデスクトップ版の概ね 60〜70% で、AC 接続が前提(バッテリー駆動だとさらに性能が落ちる)。LLM 推論はメモリ帯域律速なので、ノート版で 8B Q4 を回しても tok/sec はデスクトップ版の 6〜7 割程度にとどまります。ノートで持ち運びながら LLM を回したいなら、Windows ノートより MacBook Pro 系のほうが電力効率の点で有利という側面もあります。