PCIe Gen4 vs Gen5 GPU 実測ベンチマーク 2026年版:RTX 5090 を Gen4 x16 / Gen5 x8 / Gen5 x16 スロットで動かすと fps・ローカルLLM tok/sec はどれだけ変わるか
RTX 5090 を Gen5 x16(本来の帯域)/Gen5 x8(Gen5 NVMe 同居時)/Gen4 x16(旧世代マザボ)/Gen4 x8 の 4 パターンで動かし、AAA ゲーム fps とローカルLLM tok/sec がどれだけ変わるかを整理します。結論を先に言うと、ゲームでは 1〜3% しか落ちませんが、ローカルLLM の初回モデルロードとマルチGPU テンソル並列で効いてきます。マザボ選びと Gen5 SSD 追加時の同居設計判断まで含めて解説します。
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結論:RTX 5090 を PCIe Gen5 x16 から Gen5 x8(= Gen4 x16 相当)へ落としても、AAA ゲームの fps 差は 4K/1440p ともに 1〜3% 程度。体感差はほぼ出ません。ただし、ローカルLLM で初回モデルロードにかかる時間はレーン帯域に比例して長くなり、Tensor Parallel でマルチGPU 分割する場面では tok/sec が数〜十数%落ちる報告があります。Gen5 NVMe SSD を M.2_1 に追加して GPU が x8 に強制ダウンする Z890 系マザボの構成には要注意で、X870 系は M.2_2 経由の分岐で x16 を維持できる盤面が多いです。ゲーマー中心なら Gen4 マザボの続投で問題なし。AI 用途で 2 枚挿しや大型モデルを常用する層だけが Gen5 x16 を死守する価値があります。
「RTX 5090 を買ったのに手元のマザボが Gen4 世代」「Gen5 NVMe SSD を追加したら GPU が x8 に落ちる警告が出た」という状況で、実際にどれだけ性能が変わるかは購入前の判断軸として重要です。本記事は 3〜4 の独立ソース(TechPowerUp / GamersNexus / Puget Systems / ComputerBase)で数値をクロスチェックし、ゲームとローカルLLM の両視点でまとめます。
4 パターンの帯域早見表
PCIe のレーン帯域は、世代とレーン数の掛け算で決まります。Gen5 は Gen4 の 2 倍。レーン数は x16 が x8 の 2 倍です。GPU が実効的に使える帯域は次のようになります。
| 構成 | 片方向帯域 | 相当関係 |
|---|---|---|
| PCIe Gen5 x16 | 約 63 GB/s | RTX 5090 本来の帯域 |
| PCIe Gen5 x8 | 約 32 GB/s | Gen4 x16 と同じ |
| PCIe Gen4 x16 | 約 32 GB/s | Gen5 x8 と同じ |
| PCIe Gen4 x8 | 約 16 GB/s | Gen5 x4 と同じ |
ポイントは Gen5 x8 と Gen4 x16 が同じ 32 GB/s という点です。Gen5 マザボで NVMe と分岐して x8 に落ちる状況と、Gen4 マザボで x16 のまま使う状況は、GPU 側から見ると同じ帯域になります。この対称性が、Gen4 マザボ続投の是非を判断する土台になります。
概念面の詳しい整理は「PCIe レーン x16 / x8 / x4 の違い 2026年版」も合わせて参照してください。
ゲームでの fps 差:1〜3% で体感できない
各種検証サイトの RTX 5090 実測を要約します。TechPowerUp と ComputerBase の Gen5 x16 vs Gen5 x8(= Gen4 x16 相当)比較では、多くの AAA タイトルで平均差が 1〜3% に収まります。4K でも 1440p でも傾向は同じです。
| タイトル(4K, RT) | Gen5 x16 | Gen5 x8 | 差 |
|---|---|---|---|
| Cyberpunk 2077 RT Overdrive | 基準 | 約 -1〜2% | 体感不能 |
| Alan Wake 2 Path Tracing | 基準 | 約 -1〜3% | 体感不能 |
| Black Myth: Wukong (Cinematic) | 基準 | 約 -2% | 体感不能 |
| Star Wars Outlaws (Ultra) | 基準 | 約 -1〜2% | 体感不能 |
| Horizon Forbidden West (Ultra) | 基準 | 約 -1% | 体感不能 |
x16 → x4(= Gen4 x8 相当)まで落とすと、タイトルによっては 5〜10% 落ちる場合があり、フレーム生成が絡む場面ではさらに拡大します。ただし、実運用で x4 スロットに RTX 5090 を挿す状況はほとんどありません。現実的な選択肢は「Gen5 x16 か、Gen5 x8/Gen4 x16 相当か」の 2 択。この範囲であればゲームでは差が出ないと結論できます。
RTX 50 世代全体のゲーミング比較は「RTX 50 シリーズ ゲーミング GPU 比較 2026」も参考になります。
ローカルLLM での差:モデルロードとマルチGPU で効く
ゲームとは異なり、ローカルLLM ではレーン帯域が刺さる場面が 2 つあります。
1. 初回モデルロード時間
大型モデル(Llama 3.3 70B GGUF Q4_K_M で約 42 GB)を SSD から VRAM に転送する初回ロードは、PCIe 帯域に比例して所要時間が伸びます。Gen5 x16(約 63 GB/s)から Gen5 x8(約 32 GB/s)に落ちれば、理論上は転送時間が約 2 倍かかります。実際には SSD 側の連続読み込み速度が律速となる場面もあり、Gen5 NVMe(Crucial T705 で連続読み込み 14 GB/s 級)を使えば PCIe が Gen5 x8 でも SSD 側で頭打ちしにくいという相殺関係があります。
2. Tensor Parallel マルチGPU での帯域律速
RTX 5090 を 2 枚挿してテンソル並列で 100B クラスを動かす構成では、GPU 間の通信が推論のレイヤ境界ごとに発生します。NVLink が RTX 50 世代で廃止されたため、通信は PCIe 経由となり、レーン帯域が tok/sec に直接効きます。マザボ側の PCIe レーン割り当てが x16/x16 か x8/x8 かで、100B クラスの実測 tok/sec が数〜十数% ずれる報告があります。
このマルチGPU 構成の詳細は「NVLink 廃止で RTX 5090 の 2 枚挿しはローカルLLM を速くしない」で扱いました。単発推論(1 枚挿し)であれば PCIe 帯域の影響はロード時間だけに留まり、生成中の tok/sec はほぼ変わりません。
RTX 5090 で Gen5 x16 が出るための条件
RTX 5090 をカタログ通りの PCIe 5.0 x16 で動かすには、CPU 側と マザボ側の両方で条件があります。
- CPU:Intel Core Ultra 200(Arrow Lake)は PCIe 5.0 レーンを 20 本、AMD Ryzen 9000(Zen 5)は 24 本備え、いずれも GPU 用 x16 を出せます。旧世代の Intel 13/14 世代や Ryzen 7000 でも Gen5 x16 は出ますが、Gen5 NVMe との同居構成に注意が必要です
- マザボチップセット:Intel Z890 / B860、AMD X870 / X870E / B850 / B650(一部)が Gen5 x16 レーンをフルに割り当てます。B860 や B650 の下位モデルは Gen5 レーンを M.2 側に振っており、GPU は Gen4 x16 止まりの盤面もあります
購入前にマザボの製品ページで「PCIe 5.0 x16(CPU 直結)」の記載を確認してください。マザボ選びの全体像は「マザーボードチップセットの選び方 2026年版」にまとめています。
Gen5 NVMe SSD 同居で x8 に落ちる盤面
RTX 5090 と Gen5 NVMe SSD を同時に運用したいとき、マザボによっては GPU のレーンが x8 に強制ダウンします。原因は CPU から出る PCIe 5.0 レーンの本数上限。Intel Arrow Lake の 20 本のうち、GPU に 16、CPU 直結 M.2 に 4 を割り振ると余りません。M.2 スロットを増やすとき、GPU 側のレーンから 8 本を持ってくる設計が採られる場面があります。
盤面別の傾向は次のとおりです。
- Intel Z890 系:M.2_1(CPU 直結 Gen5)を使うと GPU が x8 に落ちる製品が多い。BIOS で選択可能な機種もあります
- AMD X870 / X870E 系:CPU 直結 M.2 と GPU x16 が独立レーンで、x16 を維持しやすい盤面が多い。X870E は特に強い
- AMD B650 系(一部):Gen5 レーンが GPU x16 のみで、Gen5 NVMe は非対応かチップセット経由(Gen4)扱い
GPU 側で 1〜3% の fps 差を許容できるゲーマーなら、Z890 で M.2_1 に Gen5 SSD を挿す構成でも困りません。マルチGPU LLM 用途や、初回ロード時間を最短化したい場合は、X870E クラスで x16 を死守する選択肢が現実的です。
SSD 単体の Gen5 vs Gen4 の体感差は「PCIe Gen5 vs Gen4 NVMe SSD の違いと体感差 2026年版」も参照してください。
判断フロー:自分の構成でどう選ぶか
購入前の判断を 3 段でまとめます。
- ゲーム中心で 1 枚挿し:Gen4 マザボの続投で問題ありません。RTX 5090 の性能を 97〜99% 引き出せます
- AI 用途で 1 枚挿し、大型モデル頻用:Gen5 x16 を選ぶ価値があります。ただし、Gen5 SSD 同居で x8 に落ちる盤面は避け、Gen4 SSD を選ぶか X870E クラスで独立レーンを確保します
- マルチGPU で 100B クラスを常用:Gen5 x16/x16 が出せる HEDT 系(Threadripper など)か、Blackwell RTX PRO クラスの検討が現実的です。デスクトップの Z890/X870 は x8/x8 が上限になる場面が多いです
まとめ:体感差はゲームで出ない、LLM は初回ロードとマルチで効く
- Gen5 x16 → Gen5 x8(= Gen4 x16)の fps 差は 1〜3% で AAA ゲームでは体感できません
- Gen4 x8 相当まで落ちると 5〜10% 差になる場面があります(現実的な運用構成では稀)
- ローカルLLM は、初回モデルロードで帯域に比例、Tensor Parallel マルチGPU で数〜十数% の差が付きます
- Gen5 NVMe SSD の追加で GPU が x8 に落ちる Z890 系の盤面に注意、X870E は独立レーンで x16 を維持しやすい
- ゲーマーは Gen4 マザボ続投で十分、AI マルチGPU 層のみが Gen5 x16 を死守する価値あり
「Gen5 マザボにするか Gen4 で粘るか」の判断は、ゲームか AI か、単発か複数 GPU かで答えが変わります。手元のワークロードを冷静に切り分けて、必要な帯域だけ確保する構成が最も費用対効果に優れます。
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価格の注記(2026 年 8 月実測): Amazon.co.jp の RTX 5090 単体は第三者出品者によるマーケットプレイス出品が中心で、上位掲載の実売価格は 86〜90 万円台でした(ASUS TUF / ROG Astral、出品者 B&T)。PC 専門店やメーカー直販の価格も確認してから判断してください。
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