MacBook Air M4 / MacBook Pro M4 / M4 Pro / M4 Max ローカルLLM 実測ベンチマーク 2026年版:ファンレスAirと冷却付きProで8B・14B・32B・70Bはどこまで動くか
MacBook Air M4(ファンレス)と MacBook Pro M4 / M4 Pro / M4 Max(アクティブ冷却)でローカルLLMはどこまで動くか。Llama 3.1 8B・Qwen 2.5 14B / 32B・Llama 3.3 70B の Q4_K_M を llama.cpp / MLX で回した tok/sec と、10分連続後の持続速度・バッテリー駆動時の低下を整理します。
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結論:8B級を軽く触るだけなら MacBook Air M4 16GB でも足りますが、14B級以上を常用するなら MacBook Pro 14” / 16” M4 Pro 以上が現実解です。ファンレスの Air はサーマルスロットリングで10分後に tok/sec が3〜4割落ち、バッテリー駆動時はさらに1〜2割下がります。Pro 14” M4 Max(36GB)は 32B Q4 を 12〜15 tok/s で回せる持続性能があり、Pro 16” M4 Max 64GB / 128GB まで積めば 70B Q4 も 8〜10 tok/s で常用できます。MLX を選ぶと llama.cpp より 1.4〜1.7 倍速く、Air / Pro 問わず「MLX か GGUF か」で体感が変わります。
MacBook 側でローカルLLMを回そうとすると、必ず「Air と Pro でどれくらい差があるのか」「ファンレスで何 B までなら実用か」「64GB や 128GB を積む意味はあるのか」の3つに行き着きます。この記事では 2026 年 7 月時点で公開されている llama.cpp / MLX ベンチと r/LocalLLaMA のスレッドを横断集約し、MacBook Air M4 と MacBook Pro 14” / 16” M4 / M4 Pro / M4 Max の tok/sec を「短文プロンプト直後」「10 分連続後」「バッテリー駆動時」の3断面で整理します。iris-lab の自前実測は含まず公開ベンチ集約ベースであることは最初に明示しておきます。
MacBook M4 ラインナップと冷却構成
M4 世代の MacBook 側ラインナップは以下の通りです。
| モデル | チップ選択肢 | メモリ選択肢 | 帯域 | 冷却 |
|---|---|---|---|---|
| MacBook Air 13” M4 | M4 のみ | 16 / 24 / 32 GB | 約 120 GB/s | ファンレス |
| MacBook Air 15” M4 | M4 のみ | 16 / 24 / 32 GB | 約 120 GB/s | ファンレス |
| MacBook Pro 14” M4(無印) | M4 base | 16 / 24 GB | 約 120 GB/s | デュアルファン |
| MacBook Pro 14” M4 Pro | M4 Pro | 24 / 48 GB | 約 273 GB/s | デュアルファン |
| MacBook Pro 14” M4 Max | M4 Max | 36 / 48 / 64 / 128 GB | 410〜546 GB/s | デュアルファン |
| MacBook Pro 16” M4 Pro | M4 Pro | 24 / 48 GB | 約 273 GB/s | デュアルファン(14”より大型ヒートシンク) |
| MacBook Pro 16” M4 Max | M4 Max | 36 / 48 / 64 / 128 GB | 410〜546 GB/s | デュアルファン(14”より大型ヒートシンク) |
決定的に効くのは 2 点あります。
1 点目は メモリ帯域。Mac のローカルLLM 推論はデコード(トークン生成)で帯域律速となり、M4 の 120 GB/s と M4 Max(40コア)の 546 GB/s では理論最大 4.5 倍差が出ます。M4 Max も 30 コア版は 410 GB/s、40 コア版は 546 GB/s と bin 違いで帯域が変わる点は購入時に確認しておきたいところです。
2 点目は 冷却構成。ファンレスの Air は数分の連続推論でチップ温度が 90〜100℃ に達し、そこからサーマルスロットリングで周波数が落ちます。Pro は 14” / 16” ともデュアルファンですが、16” はヒートシンクが大きく持続性能で 14” より優位です。この帯域と冷却の掛け合わせが「Air と Pro の実用差」の正体です。
Unified Memory と VRAM の構造差そのものは「Apple Silicon の Unified Memory と NVIDIA VRAM、ローカルLLM では何が違うのか 2026年版」にまとめてあります。帯域律速の理屈から入りたい方はそちらを先に読んでください。
メモリ容量ごとに動かせるモデル規模
macOS は Unified Memory の約 75% を GPU / LLM 推論に割り当てます。OS やブラウザの動作領域を残すと、実用ラインは容量表示より一段絞られます。
| 容量 | 快適に回せる規模(Q4 目安) | 対応モデル例 |
|---|---|---|
| 16 GB | 8B級 | Llama 3.1 8B / Qwen 2.5 7B |
| 24 GB | 8〜14B級 | Llama 3.1 8B / Qwen 2.5 14B |
| 36 GB | 27〜32B級 | Gemma 3 27B / DeepSeek R1 32B |
| 48 GB | 32B級が余裕、70B Q4 は非現実的 | DeepSeek R1 32B / Qwen 2.5 32B |
| 64 GB | 70B Q4 がギリギリ載る(速度は帯域次第) | Llama 3.3 70B Q4 |
| 128 GB | 70B Q5〜Q8、120B クラス MoE | Llama 3.3 70B Q8 / Mixtral 8x22B |
モデルファイルサイズだけで判断すると失敗します。推論時には KV キャッシュ(コンテキスト長に比例)と推論バッファが追加で必要で、実ファイルサイズ + 30〜50% を見込んで容量を選ぶのが安全です。長文コンテキストと KV キャッシュの関係は「ローカルLLM のコンテキスト長・VRAM・KV キャッシュ 2026年版」で詳しく扱っています。
実測 tok/sec:llama.cpp(GGUF Q4_K_M)と MLX(4bit)
r/LocalLLaMA / llama.cpp Discussions / 9to5Mac / MacRumors / MLX GitHub Issues を横断集約したレンジです。短文プロンプト(〜2K context)投入直後、AC 電源接続の値で示します。
Llama 3.1 8B Q4_K_M(〜5 GB)
| 機種 | 帯域(GB/s) | llama.cpp | MLX |
|---|---|---|---|
| MacBook Air 13” M4 16GB | 120 | 18〜22 | 28〜35 |
| MacBook Air 15” M4 24GB | 120 | 18〜22 | 28〜35 |
| MacBook Pro 14” M4 24GB | 120 | 20〜24 | 30〜38 |
| MacBook Pro 14” M4 Pro 48GB | 273 | 38〜45 | 55〜65 |
| MacBook Pro 14” M4 Max 64GB | 546 | 60〜75 | 90〜110 |
| MacBook Pro 16” M4 Max 128GB | 546 | 60〜75 | 90〜110 |
Qwen 2.5 14B Q4_K_M(〜9 GB)
| 機種 | llama.cpp | MLX |
|---|---|---|
| MacBook Air M4 24GB | 12〜14 | 18〜22 |
| MacBook Pro 14” M4 24GB | 12〜14 | 18〜22 |
| MacBook Pro 14” M4 Pro 48GB | 22〜26 | 32〜38 |
| MacBook Pro 14” M4 Max 36GB | 30〜35 | 42〜50 |
| MacBook Pro 14” M4 Max 64GB | 35〜42 | 50〜60 |
Qwen 2.5 32B / DeepSeek R1 32B Q4_K_M(〜19 GB)
| 機種 | llama.cpp | MLX |
|---|---|---|
| MacBook Pro 14” M4 Pro 48GB | 8〜10 | 12〜15 |
| MacBook Pro 14” M4 Max 36GB | 10〜12 | 15〜18 |
| MacBook Pro 14” M4 Max 64GB | 12〜15 | 18〜22 |
| MacBook Pro 16” M4 Max 128GB | 12〜15 | 18〜22 |
Llama 3.3 70B Q4_K_M(〜40 GB)
| 機種 | llama.cpp | MLX |
|---|---|---|
| MacBook Pro 14” M4 Max 64GB | 6〜8 | 8〜10 |
| MacBook Pro 16” M4 Max 64GB | 6〜8 | 8〜10 |
| MacBook Pro 16” M4 Max 128GB | 6〜8 | 8〜10 |
| MacBook Air / Pro 24GB 以下 | 入らない | 入らない |
この4つの表から読み取れる要点は次の通りです。
- MLX は llama.cpp より 1.4〜1.7 倍速い:Apple 純正のフレームワークで、Metal と Apple Silicon の GPU コアに最適化されているぶん、GGUF より安定して速い数字が出ます
- 8B は Air でも実用:MLX で 30 tok/s 前後出るので、対話用途なら Air 16GB でも困りません
- 14B は Pro Pro 以上が快適:Air M4 でも 18〜22 tok/s は出ますが、後述の通り 5 分もすればサーマルで 12〜15 tok/s まで落ちます
- 32B は M4 Max の領域:M4 Pro でも動きますが 8〜15 tok/s と対話ぎりぎりで、常用するなら M4 Max
- 70B は 64GB 以上必須:かつ帯域が効く M4 Max(40 コア)で 8〜10 tok/s 台。M4 Pro / base では帯域が足りず現実的ではありません
MLX と llama.cpp のより詳しい速度差やユースケース別使い分けは「MLX vs llama.cpp Apple Silicon ローカルLLM ランタイム比較 2026年版」で扱っています。
持続性能:10 分連続後にどこまで落ちるか
短文プロンプト直後の tok/sec は「カタログスペック」です。実運用で効くのは 10 分連続推論後に何 tok/sec 残るかで、ファンレスの Air とデュアルファンの Pro で最大の差が出ます。
以下は公開レビュー(Notebookcheck / MacRumors / r/LocalLLaMA スレッド)から集約した、8B Q4 連続推論時の tok/s 維持率レンジです。
| 機種 | 直後 | 5 分後 | 10 分後 | 落ち込み傾向 |
|---|---|---|---|---|
| MacBook Air 13” M4 | 100% | 78〜85% | 60〜70% | 3〜4 割落ち |
| MacBook Air 15” M4 | 100% | 82〜88% | 68〜75% | 2〜3 割落ち(放熱面積が広いぶん有利) |
| MacBook Pro 14” M4 base | 100% | 92〜96% | 88〜92% | 1 割前後 |
| MacBook Pro 14” M4 Pro | 100% | 95〜98% | 92〜95% | 数% |
| MacBook Pro 14” M4 Max | 100% | 95〜98% | 90〜94% | 5〜10% |
| MacBook Pro 16” M4 Max | 100% | 97〜99% | 95〜97% | 数% |
Air 13” は数分でファンなし冷却が限界に達し、10 分で 3〜4 割落ちる報告が多く見られます。15” は同じ M4 でも放熱面積が広く落ち込みが軽減されますが、それでも常用連続推論には向きません。Pro 14” M4 Max は 5〜10% の落ち込みに収まり、Pro 16” M4 Max は 16” の大型ヒートシンクで数% 内。「70B を数十分連続で回す」用途では 16” Max がもっとも安定します。
バッテリー駆動 vs AC 電源
バッテリー駆動時は電力制限がかかり、tok/s が下がります。
| 機種 | AC 電源比の速度 |
|---|---|
| MacBook Air M4 | AC 比 80〜90% |
| MacBook Pro 14” M4 base | AC 比 85〜92% |
| MacBook Pro 14” M4 Pro | AC 比 85〜92% |
| MacBook Pro 14” M4 Max | AC 比 82〜90% |
| MacBook Pro 16” M4 Max | AC 比 85〜92%(電源容量に余裕あり) |
特に Air は「バッテリー駆動 + サーマルスロットリング」の合算で、10 分連続後の速度が AC 電源時の 50〜60% まで落ちる報告もあります。出先での短時間チェックには使えますが、常用は AC 接続を前提にすると安定します。
70B Q4 を回す用途では、Pro 16” M4 Max であっても消費電力が高く、バッテリー持ちは 1.5〜2 時間程度が目安です。「モバイルで70B」を期待しすぎるとがっかりする場面です。
用途別マトリクス:どの MacBook を選ぶか
| 用途 | 推奨機種 |
|---|---|
| 8B 級を数分お試し、外出先で軽く回したい | MacBook Air 13” / 15” M4 16GB |
| 8〜14B 級を常用、コード補完メイン | MacBook Pro 14” M4 Pro 48GB |
| 32B 級(DeepSeek R1 32B / Qwen 2.5 32B)を常用 | MacBook Pro 14” M4 Max 36〜64GB |
| 70B Q4 を持ち運びたい | MacBook Pro 16” M4 Max 64GB 以上 |
| 70B Q5 〜 Q8 常用、120B MoE、長文 RAG | MacBook Pro 16” M4 Max 128GB |
| 学習も本気でやりたい | Mac 単体で完結せず、NVIDIA 環境が必要(Mac Studio vs RTX 5090 比較を参照) |
| Windows GPU との比較で迷っている | MacBook Pro M4 32GB vs RTX 5070 ローカルLLM 比較 |
私の見立てはこうです。MacBook で本気のローカルLLM 運用をするなら、実質的に Pro 14” M4 Max 36GB 以上か、Pro 16” M4 Max 64GB 以上の二択になります。Air や Pro base は「試す・小さいモデルを対話で使う」ラインまで。M4 Pro は 14B 級までは万能ですが、32B / 70B に手を出す予定があるなら最初から Max を選んだ方が長く使えます。
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- MacBook Pro 16” M4 Max(32B〜70B 常用、長時間連続推論)を Apple 公式ストアで見る
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