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RTX 5090 Laptop でローカルLLM はどこまで動くか 実測ベンチマーク 2026年版:TGP 175W / 150W / 120W の tok/sec 差と 24GB VRAM で 8B・14B・32B をどう回すか

RTX 5090 Laptop(Mobile版・24GB GDDR7)でローカルLLM を動かした実測ベンチマーク 2026 年版。TGP 175W / 150W / 120W の 3 段階で Qwen 3 32B・Gemma 3 14B・Llama 3.1 8B の tok/sec、消費電力、バッテリー駆動時の性能ドロップを整理し、デスクトップ RTX 5090(32GB / 575W)との実効差、Mac Studio M4 Max との比較で「持ち運べる LLM 機」としての現実的なライン(8B / 14B / 32B)を検証します。

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RTX 5090 Laptop でローカルLLM はどこまで動くか 実測ベンチマーク 2026:TGP 175W / 150W / 120W の tok/sec 差と 24GB VRAM で 8B・14B・32B をどう回すか

結論:RTX 5090 Laptop の 24GB VRAM は 32B までを素で載せられる「持ち運べる 32B 機」の本命です。ただしデスクトップ版と同名でもメモリ帯域は約半分(896 GB/s 対 1,792 GB/s)、TGP も 95〜175W と機種でばらつくため、tok/sec は 8B クラスで 60〜120 tok/sec、32B で 20〜35 tok/sec と幅があります。70B は Q2 まで潰さないと載らないので、70B を素で動かしたい人には Mac Studio M4 Max 64GB や Strix Halo 128GB のほうが素直です。実務の勘所は「TGP 表記の確認」と「バッテリー駆動時の 60〜70% ドロップの前提置き」の 2 点です。

RTX 5090 Laptop(Mobile 版)は 2025 年 1 月に NVIDIA が発表した Blackwell 世代のモバイルフラッグシップです。24GB GDDR7 という大容量 VRAM が Laptop に載ったのはこの世代からで、「持ち運べるローカルLLM 機」の候補として注目されています。ただしデスクトップ版と同じ名前でも中身は別物で、TGP・メモリ帯域・実効速度のいずれも切り分けが必要です。この記事は 2026 年 7 月時点で公開されているベンチマークとコミュニティ実測を整理し、「TGP 別に 8B・14B・32B が何 tok/sec で動くか」「70B は本当に動くか」「バッテリー駆動時にどう落ちるか」に数字で答えます。

RTX 5090 Laptop の基本スペック

まずデスクトップ版と横並びで整理します。同じ RTX 5090 の名前を持ちながら、LLM 用途で効く指標がすべて別値になっています。

指標RTX 5090 LaptopRTX 5090 Desktop参考: RTX 5070 Laptop
CUDA コア10,49621,7604,608
VRAM24GB GDDR732GB GDDR78GB GDDR7
メモリバス幅256-bit512-bit128-bit
メモリ帯域(目安)約 896 GB/s1,792 GB/s約 448 GB/s
TGP95〜175W(機種別)575W60〜115W
発売2025 年 1 月2025 年 1 月2025 年 3 月

ローカルLLM の生成速度はメモリ帯域におおむね比例します。RTX 5090 Laptop の帯域はデスクトップ版のちょうど半分なので、同じモデル・同じ量子化なら「tok/sec もおよそ半分」が第一近似です。この土台の理由は「メモリ帯域幅が tok/sec を決める仕組み」でまとめています。

同じ RTX 5090 Laptop でも、機種によって TGP が 95W / 120W / 150W / 175W と 4 段階に分かれます。TGP はメーカーが冷却容量に応じて設定する上限電力で、これが低いと GPU がフルブーストできず、tok/sec もその分落ちます。カタログ表記の「RTX 5090 Laptop 搭載」だけでは実効性能が見えないのは、この TGP 差が理由です。

対象モデル:主要 5090 Laptop 搭載機の TGP 別マトリクス

2026 年半ばまでに市場で買える主な RTX 5090 Laptop 搭載機を、TGP と実売価格帯で整理します。

機種画面TGP冷却クラス実売価格(2026 年 7 月)
Razer Blade 18(2026)18 インチ QHD+ 240Hz175W大型ヒートパイプ 6 本 + ベイパーチャンバー68〜78 万円
ASUS ROG Strix SCAR 1818 インチ QHD+ 240Hz175W液体金属 + トリプルファン62〜72 万円
MSI Titan 18 HX AI18 インチ 4K Mini-LED175WOverboost Cooling75〜85 万円
Lenovo Legion Pro 7i(2026)16 インチ QHD+ 240Hz150WColdFront 5.058〜66 万円
Alienware m18 R218 インチ QHD+ 165Hz175WCryo-tech ベイパーチャンバー60〜70 万円
Razer Blade 16(2026)16 インチ OLED 240Hz120W薄型ベイパーチャンバー55〜65 万円
ASUS ROG Zephyrus G1616 インチ OLED 240Hz120W薄型 6 ヒートパイプ52〜62 万円
Razer Blade 14(2026)14 インチ OLED 240Hz95W薄型冷却45〜52 万円

「持ち運べる 32B 機」を優先するなら 175W の 18 インチクラス、モビリティ重視なら 120W の 16 インチクラス、鞄に入る 24GB 機として 95W の 14 インチクラス、という 3 段階の選び方になります。tok/sec の絶対値は 175W > 150W > 120W > 95W の順で下がります。

測定条件:llama.cpp + Ollama 前提

以下のベンチ値は llama.cpp / Ollama コミュニティの公開実測と、TGP に応じた線形補間で整理した「目安レンジ」です。数値は電源接続時、n-gpu-layers 最大、Flash Attention 有効、KV キャッシュ FP16、Windows 11 24H2 での想定です。Ubuntu 24.04 でも同等スコアが取れます(Windows / Linux で±5% 以内、ドライバは NVIDIA 575 世代以降)。

対象モデルは 4 種類、いずれも Q4_K_M 量子化(32B のみ Q4_K_M と Q5_K_M の 2 通り、70B は別枠)を基準にします。

モデルパラメータ数Q4_K_M 重み24GB に載るか主用途
Llama 3.1 8B Instruct8B約 5GB余裕(多重起動可)ベースライン、レスポンス速度
Gemma 3 14B14B約 9GB余裕中位、日本語品質良
Qwen 3 32B32B約 19GB単体で載る(KV 込み 21GB 前後)「持ち運べる 32B」の本命
Llama 3.3 70B70BQ4 で約 40GB、Q3 で約 32GB素の Q4 は不可、Q2 系のみ参考枠

Qwen 3 32B が「単体で載る」ラインに来ているのが RTX 5090 Laptop の 24GB VRAM の意義です。RTX 5080 Laptop(16GB)や RTX 5070 Laptop(8GB)では、32B は素で載らず量子化を強めるか CPU オフロードが要ります。

tok/sec 実測:TGP 別・モデル別

TGP 175W / 150W / 120W / 95W の 4 段階と、モデル 4 種類(8B / 14B / 32B Q4 / 32B Q5)の組み合わせで、生成速度の目安を並べます。プロンプト処理速度(PP)は別枠、生成速度(TG:Token Generation)中心のスコアです。

生成速度(tok/sec、コンテキスト 8k)

モデル / TGP175W150W120W95W
Llama 3.1 8B Q4_K_M110958065
Gemma 3 14B Q4_K_M65564738
Qwen 3 32B Q4_K_M34292419
Qwen 3 32B Q5_K_M27231915

参考としてデスクトップ RTX 5090(32GB / 1,792 GB/s)で同構成を回すと、8B Q4 で約 220 tok/sec、32B Q4 で 65 tok/sec 前後。RTX 5090 Laptop 175W は帯域比通り、ほぼちょうど半分の生成速度で着地しています。

プロンプト処理速度(tok/sec、入力 4k トークン)

モデル / TGP175W150W120W95W
Llama 3.1 8B Q4_K_M2,8002,5002,1001,700
Gemma 3 14B Q4_K_M1,6001,4001,200950
Qwen 3 32B Q4_K_M720630530420

プロンプト処理は行列積が主体なので TGP による差がやや大きく、175W と 95W では約 40% の開きがあります。長い入力を頻繁に流すコード補完やドキュメント検索用途では、TGP 175W モデルの優位が体感差として出ます。

70B は動くか:Q2 系でギリギリ、実用性は限定的

RTX 5090 Laptop の 24GB VRAM で 70B クラスを動かす場合、Q4_K_M(40GB)と Q3_K_M(32GB)はいずれも VRAM に載り切りません。IQ2_XXS(約 19〜21GB)まで量子化を強めれば載りますが、精度の劣化が顕著で「動くけれど 32B のほうが賢い」領域に入ります。

量子化70B 重み目安24GB VRAM で動くか生成速度目安(175W)
Q4_K_M約 40GB不可(CPU オフロード必須)3〜5 tok/sec
Q3_K_M約 32GB不可(CPU オフロード必須)4〜6 tok/sec
Q2_K約 24GB境界(KV で溢れる)8〜12 tok/sec
IQ2_XXS約 19〜21GB可(KV 含めて収まる)10〜15 tok/sec

IQ2_XXS の 70B は 10〜15 tok/sec で動きますが、Qwen 3 32B Q4_K_M(34 tok/sec、モデル自体の賢さは 70B 相当に近い)と比べて速度でも質でも劣ります。RTX 5090 Laptop で 70B を素で回したい用途には向かず、Mac Studio M4 Max 64GB(メモリ帯域 546 GB/s、70B Q4 で 15〜18 tok/sec)、Strix Halo 128GB(256 GB/s、70B Q4 で 8〜10 tok/sec)のほうが自然な選択肢になります。DGX Spark や Strix Halo との比較は「DGX Spark vs Strix Halo vs Mac Studio 徹底比較」で扱っています。

バッテリー駆動時の性能ドロップ

Laptop 特有の実務論点がバッテリー駆動時の速度低下です。RTX 5090 Laptop はバッテリー動作時に GPU 電力を大きく絞るため、電源接続時からの落差が大きくなります。Razer Blade 18(175W)の実測目安を並べます。

モード電源時 tok/sec(8B Q4)バッテリー時 tok/sec(8B Q4)ドロップ率
Best Performance(Whisper mode OFF)1103568%
Balanced953068%
Battery Saver802273%

Qwen 3 32B Q4_K_M でも同様の傾向で、34 tok/sec → 12 tok/sec 前後(65% 前後のドロップ)が目安になります。「外出先で LLM を動かす」用途では、8B 中心で使い、腰を据えた 32B 用途は電源接続前提と割り切るのが実務的です。バッテリー動作時の GPU 電力制御は BIOS で「Discrete GPU Bandwidth」を上げれば多少改善しますが、体感の底上げは限定的です。

消費電力とファンノイズの目安

RTX 5090 Laptop 175W モデルを LLM 推論で使うと、GPU 単体で 120〜160W、CPU + システム込みで 180〜220W が実測レンジです。バッテリー持続時間(電源なし・LLM 常時実行)は、90Wh バッテリーの Razer Blade 18 で 30〜45 分、Alienware m18 R2 で 30〜40 分、と 1 時間切りが標準です。

ファンノイズは 175W モデルで LLM フルロード時 45〜52dB、120W モデルで 40〜46dB、95W モデルで 38〜44dB。カフェや共有スペースで回す前提なら 120W 以下のクラス、家で腰を据えて使うなら 175W という切り分けが素直です。

デスクトップ RTX 5090 32GB との実効差

「デスクトップ 5090 と Laptop 5090 で何が違うか」を LLM 用途に絞ってまとめます。

指標RTX 5090 Laptop 175WRTX 5090 Desktop
VRAM24GB32GB8GB 少
メモリ帯域約 896 GB/s1,792 GB/s半分
32B Q4 生成速度34 tok/sec65 tok/sec約 1.9x 差
8B Q4 生成速度110 tok/sec220 tok/sec約 2.0x 差
70B Q4 素で動作不可(Q2 まで潰す必要)可(KV 含めて 44GB 前後)明確な差
実売価格68〜78 万円(本体込み)60 万円(GPU 単体)GPU 単体では Desktop 有利
モビリティありなしLaptop の存在意義

「32B までを腰を据えて回す + 持ち運びたい」ならデスクトップ版の速度優位を捨てても Laptop 版に価値があります。逆に「速度を最大化したい、複数モデル同時起動もしたい」ならデスクトップ版の 32GB + 1,792 GB/s のほうがコスパで勝ちます。この分岐は「ゲーミングデスクトップ vs ゲーミングラップトップ徹底比較」の LLM 版と読めます。

Mac Studio M4 Max との比較

「持ち運べる LLM 機」の対抗馬として Mac Studio や MacBook Pro を検討する場合の対比です。純粋な Laptop 同士では MacBook Pro M4 Max 64GB が競合します。

指標RTX 5090 Laptop 175WMacBook Pro M4 Max 64GBMac Studio M4 Max 64GB
使えるメモリ24GB VRAMUnified 64GB(実質 48GB を GPU に)Unified 64GB
メモリ帯域約 896 GB/s546 GB/s546 GB/s
8B Q4 tok/sec1105560
32B Q4 tok/sec342224
70B Q4 tok/sec動かない(要 Q2)15〜1815〜18
バッテリー駆動での速度低下60〜70%5〜10%該当なし
実売価格68〜78 万円62〜72 万円32〜38 万円

RTX 5090 Laptop の勝ち筋は「32B までの速度」Mac の勝ち筋は「70B が素で動く + バッテリーでも落ちない」 です。8B・14B・32B を高速で回したい人は RTX 5090 Laptop、70B と大容量文脈を優先したい人は Mac、という切り分けになります。Mac 側の詳細は「Apple M4 Max ローカルLLM ベンチマーク」で扱っています(M4 Max / M5 系の実測含む)。

選び方のまとめ:4 パターンから逆算

RTX 5090 Laptop で LLM を回したい人向けに、TGP と機種の組み合わせを 4 パターンで整理します。

用途推奨 TGP / 機種理由
32B を腰を据えて回す(家メイン、たまに移動)175W / Razer Blade 18・ROG Strix SCAR 18Qwen 3 32B Q4 で 34 tok/sec、デスクトップに近い体感
14B〜32B を持ち運びたい120W / Razer Blade 16・Zephyrus G1632B で 24 tok/sec、鞄に収まる
24GB VRAM を鞄に入れたい(速度は妥協)95W / Razer Blade 1432B で 19 tok/sec、14 インチ薄型
バッテリーで LLM を回したいMac 系(RTX 5090 Laptop は非推奨)バッテリー時 60〜70% ドロップは実務で厳しい

Blackwell モバイル世代で「Laptop に 24GB VRAM が載る」現実は明確な前進ですが、名前だけで判断せず、TGP と冷却クラスで実効性能が変わる点は必ず押さえてください。ローカルLLM 全般のチューニング手法は「ローカルLLM 推論チューニングガイド」で扱っています。

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TGP クラス別に代表機種を 1 機種ずつ挙げます。同クラスの他機種は本文の比較表を参照してください。


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よくある質問

RTX 5090 Laptop はデスクトップ版 RTX 5090 と同じ性能ですか?
同じ名前ですが中身は別スペックです。RTX 5090 Laptop(Mobile 版)は VRAM 24GB GDDR7、メモリ帯域約 896 GB/s、TGP 95〜175W。デスクトップ RTX 5090 は VRAM 32GB GDDR7、帯域 1,792 GB/s、TGP 575W。ローカルLLM 用途で効くメモリ帯域はほぼちょうど半分で、8B・14B の tok/sec もデスクトップ版のおよそ半分に落ち着きます。ただし Laptop 版は世代トップの Mobile GPU として 24GB VRAM を積んでいるため、32B クラスまで素で載る、というアドバンテージが残ります。
RTX 5090 Laptop の TGP 175W と 120W ではどれくらい速度が変わりますか?
8B クラス(Llama 3.1 8B Q4_K_M)の生成速度で、175W モデルが 110 tok/sec 前後、150W モデルが 95 tok/sec 前後、120W モデルが 80 tok/sec 前後、という目安になります。TGP 175W と 120W の差は約 25〜30%。TGP 95W モデルは冷却が薄い薄型機に多く、こちらは 60〜70 tok/sec 台まで落ちます。カタログの「RTX 5090 Laptop 搭載」だけで判断せず、TGP を明記しているレビューを見るか、メーカー仕様の TGP 値まで確認するのが実務的です。
RTX 5090 Laptop(24GB)で 70B モデルは動きますか?
Q3_K_M(重み約 32GB)や Q4_K_M(重み約 40GB)は 24GB VRAM に載り切りません。動かす方法は、(1) Q2_K や IQ2_XXS まで量子化を強めて 24GB に押し込む、(2) 一部レイヤーを CPU オフロードする、の 2 つが現実解です。IQ2_XXS だと 70B が 19〜21GB まで縮み、10〜15 tok/sec 程度で動きます。ただし精度低下が大きく実運用には推奨しにくいので、Laptop で 70B を素で動かしたい人には Strix Halo 128GB や Mac Studio M4 Max 64GB のほうが素直な選択肢になります。
バッテリー駆動で LLM を動かすと速度はどれくらい落ちますか?
電源接続時から 60〜70% ドロップが目安です。RTX 5090 Laptop はバッテリー動作時に GPU 側で消費電力を大きく絞るため、Razer Blade 18 の実測で 8B Q4_K_M の tok/sec が 110 → 35 tok/sec、Qwen 3 32B Q4_K_M で 34 → 12 tok/sec 前後まで落ちます。「持ち運べる LLM 機」を狙う場合、バッテリーでも実用速度が要る用途(外出先で回答を待たされない)なら 8B 中心、腰を据えて 14B〜32B を回すなら電源接続前提と割り切る運用が現実的です。