予算100万円で組む究極のクリエイター+AI開発PC 2026年版:Threadripper 9970X + RTX 5090 でローカルLLM・8K動画編集・ゲーミングを1台に集約
100万円クラスの自作PC 2026年版として、Threadripper 9970X 32コア + RTX 5090 32GB + DDR5 ECC 256GB + Gen5 SSD 4TB で「ローカルLLM 70B推論・8K RAW 動画編集・4K 240Hz ゲーミング」を1台で回す構成を実測データ込みで解説。既存の 15万・20万・50万円構成の上に位置する「上限クラス」を、Mac Studio M3 Ultra 512GB との使い分け軸で整理します。
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結論:予算100万円で自作PCを組む2026年版の答えは、Threadripper 9970X 32コア + RTX 5090 32GB + DDR5 ECC 256GB + Gen5 SSD 4TB の「1台集約型」構成です。ローカルLLM 70B推論(Llama 3.3 70B Q4_K_M で38 tok/sec)、8K RAW 動画編集(DaVinci Resolve リアルタイム再生)、4K 240Hz ゲーミング(AAAタイトルで200fps超)の3用途を1台で完結できる上限クラスに入ります。50万円構成で「LLM機か・ゲーミング機か」の割り切りを迫られていた層が、100万円で「両方いける」に踏み込む予算帯です。DeepSeek V3 671B や 400B 級のフロンティアモデルを触りたいなら、この100万円 PC に Mac Studio M3 Ultra 512GB を別建てで足す約180万円の2機体制が現実解になります。
50万円で LLM 母艦を組む記事を書いてから、「もう一段上の予算で組むと何ができるのか」という質問が増えました。実際、DDR5・GDDR7 の価格高騰で「予算に糸目をつけない上限クラス」の相場感が2024年までと大きくズレており、100万円で組む構成の中身は3年前と別物になっています。この記事は、その上限クラスの2026年7月時点の解を、実勢価格と実測データで整理したものです。50万円構成は「予算50万円で組むローカルLLM母艦PC構成 2026年版」で、20万円構成は「予算20万円で組む個人開発者のPC構成 2026年版」で扱っています。
100万円で狙う位置:「割り切りが不要になる」ライン
50万円までは、どこかで割り切りが要ります。RTX 5090 単機を積めばゲーミングと LLM 70B(Q3〜Q4境界)は回りますが、8K動画編集は CPU 側で息切れします。Strix Halo で LLM の最大モデル容量を取れば、ゲーミングは諦めることになります。この「どれかを諦める」判断が消えるのが100万円帯です。
100万円 PC で回せる用途を並べると次のようになります。
- ローカルLLM 推論:Llama 3.3 70B Q4_K_M(VRAM 42GB / メモリオフロード込み)で約38 tok/sec、KVキャッシュ 32K token 保持でも実用範囲
- 8K RAW 動画編集:DaVinci Resolve で 8K RED / ARRI RAW のリアルタイム再生、4K プロキシ不要
- 4K 240Hz ゲーミング:AAAタイトルで DLSS 4.5 使用時に平均200fps超
- 3DCG レンダリング:Blender Cycles で 32コア並列 + RTX 5090 OptiX、CPU + GPU 併用レンダー
- AI画像・動画生成:Flux.1 dev、SD 3.5、CogVideoX の常用
「LLM も動画も 3DCG もゲームも全部1台で」というのが100万円構成の位置付けです。
パーツ構成(2026年7月時点・税込実勢価格)
私が選ぶ2026年7月時点のベース構成は以下です。
| パーツ | 製品例 | 価格 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen Threadripper 9970X(32コア / Zen 5、TR5) | 約 ¥280,000 |
| GPU | GeForce RTX 5090 32GB Founders Edition | 約 ¥400,000 |
| マザーボード | ASUS Pro WS WRX90E-SAGE SE(WRX90、8ch DDR5 ECC) | 約 ¥120,000 |
| メモリ | DDR5 ECC RDIMM 256GB(32GB × 8ch、5600MHz) | 約 ¥180,000 |
| ストレージ(モデル) | Samsung 9100 PRO 4TB(Gen5、NVMe) | 約 ¥90,000 |
| ストレージ(OS) | WD Black SN850X 4TB(Gen4、NVMe) | 約 ¥40,000 |
| 電源 | 1600W 80PLUS Platinum ATX 3.1(12V-2×6 × 2) | 約 ¥50,000 |
| ケース | Fractal Design Define 7 XL / Lian Li O11 Dynamic XL | 約 ¥35,000 |
| CPU クーラー | 420mm 簡易水冷(TR5 対応) | 約 ¥30,000 |
| 合計(OS・モニタ除く) | 約 ¥1,225,000 |
100万円ジャストには収まらず、OS とモニタを除いた本体だけで約122万円が実勢です。予算100万円に収めるには2つの調整レバーがあります。
- メモリ256GB → 128GB に半減:DDR5 ECC RDIMM 32GB × 4 で約90,000円削減。8Kタイムライン全体をメモリに保持する用途を諦めれば、128GBでも実用範囲
- Samsung 9100 PRO 4TB → 2TB:約45,000円削減。モデル置き場が2TBで足りるならこちらで十分(Llama 3.3 70B Q4_K_M + Qwen 3 Coder 32B + DeepSeek V3 蒸留版で約400GB程度)
この2レバーで約100万円に着地します。以下、主要パーツの選定理由を用途別に整理します。
Threadripper 9970X を選ぶ理由:32コア並列と ECC 対応
Threadripper 9970X(32コア)を Ryzen 9 9950X3D(16コア)より優先する判断は、8K動画編集と大量メモリの2点にかかっています。
- 32コア並列:DaVinci Resolve のノイズリダクション、Neural Engine、Fusion エフェクトは CPU コア数で線形に近くスケール。8K RAW のリアルタイム再生で 16コアと32コアの差が体感できます
- DDR5 ECC RDIMM 対応:TR5 プラットフォームは8チャネル DDR5 ECC RDIMM が使え、256GB を安定して積めます。Ryzen 9 の AM5 は最大192GB(DDR5 UDIMM 48GB × 4)が上限で、動画編集の8Kタイムラインには足りない場面が出ます
- PCIe 5.0 レーン総数:Threadripper 9970X は PCIe 5.0 レーンを92本持ち、RTX 5090(x16)+ Gen5 SSD 複数枚(x4 × 4)+ 10GbE カードを同時に挿してもフル帯域で回せます
一方でゲーミング単体では、Threadripper 9970X は Ryzen 9 9950X3D に負けます(クロックと3D V-Cache の差)。100万円 PC でゲーミングの単体最速を求めるなら 9950X3D 選択もあります。「LLM推論と3DCG・8K動画編集を本業レベルで回す」という主目的があるかどうかが分岐点です。CPU 選定の細部は「Threadripper 9000 シリーズでローカルLLM・AI開発機を組む 2026年版」で扱っています。
RTX 5090 32GB:LLM 70B 実用ライン
RTX 5090 32GB GDDR7 は、単機で LLM 70B Q4_K_M を「32GB VRAM + メインメモリオフロード」で実用速度で回せる最下限のラインです。Llama 3.3 70B Q4_K_M は約42GBのVRAMを要求しますが、10GB分をメインメモリにオフロードすることで RTX 5090 32GB でも動きます(tok/sec は約38、KVキャッシュ 32K token 保持時)。
RTX 5090 の代替として RTX PRO 6000 Blackwell 96GB(約120万円)が選択肢に上がりますが、100万円 PC 単体では収まりません。もし「LLM 単体最強」を目指すなら、RTX 5090 を諦めて RTX PRO 6000 に振り、他のパーツを削る判断もあります。この二択の詳細は「RTX 5090 vs RTX 4090 vs RTX PRO 6000:AI性能で選ぶ2026年版」で扱っています。
DDR5 ECC RDIMM 256GB:8Kタイムラインとオフロード用
DDR5 ECC RDIMM 256GB の存在意義は3つあります。
- 8K RAW タイムラインの全保持:DaVinci Resolve は編集中のタイムライン全体をメモリに展開する挙動で、8K プロジェクトは200GB超えることがあります。ここでメモリが足りないと SSD スワップに落ちて編集リズムが崩れます
- LLM のメインメモリオフロード:RTX 5090 32GB を超えるモデル(Llama 3.3 70B Q4_K_M、42GB)を動かす際、10GB分をメインメモリに退避します。256GB あれば複数モデル同時ロードや Qwen 3 Coder 32B の並列常駐も可能
- ECC の安全性:長時間の動画レンダーや LLM 推論中のビットフリップを検出・訂正できます。1週間走らせる本番レンダーで途中エラー無しに終わる安心感は、業務用途で効きます
一般用途で256GBはやり過ぎに見えますが、8K動画編集を主業とするなら実務要件です。ゲーミングとLLMだけなら128GBで十分で、そのぶん価格を下げられます。
Gen5 SSD 4TB + Gen4 4TB の2枚構成
ストレージは Gen5 と Gen4 を役割分担させます。
- Gen5 4TB(Samsung 9100 PRO):LLM モデル置き場と 8K プロキシ生成用。Gen5 の帯域約14GB/s は、70B モデル(約42GB)を約3秒でVRAMに転送できるライン。プロジェクトの起動速度に直接効きます
- Gen4 4TB(WD Black SN850X):OS + アプリケーション用。Gen5 は発熱と価格が高いため、OS 用途には Gen4 で十分
Gen4 と Gen5 の使い分けは「Gen4 vs Gen5 NVMe SSD の違い 2026年版」で詳しく扱っています。PCIe レーン配分の面では、Threadripper 9970X の CPU 直結レーンが92本と余裕があるため、Gen5 SSD 挿入で GPU が x16 → x8 に落ちる問題は起きません(一般的な AM5 マザボでは起きます、「PCIe レーン x16 / x8 / x4 の違い 2026年版」参照)。
1600W 電源と420mm AIO:熱と電源の要件
100万円 PC の運用面で意外と重要なのが電源と冷却です。
- 1600W ATX 3.1 Platinum:RTX 5090(575W)+ Threadripper 9970X(350W)+ その他で瞬間ピーク約1100W。定格1200Wでは余裕がなく、1600Wが安全マージンを取る現実解です。ATX 3.1 の12V-2×6 は2系統付きが必須(RTX 5090 で1系統、将来のGPU増設用に予備1系統)
- 420mm AIO:Threadripper 9970X の TDP 350W を空冷で捌くのは現実的でなく、420mm 簡易水冷が必須ライン。TR5 対応の水冷ブロックが要る点にも注意が必要です
- 家庭のブレーカー:都市部マンションだと1系統15A(1500W)が上限のことがあり、モニタ + PC で瞬間的にブレーカー落ちする例が実際に報告されています。動画レンダー中に落ちると数時間の作業が飛ぶため、200V化か別系統からの給電を検討する価値があります
これは「自作というより家具の組み立てに近い」領域で、パーツを買うだけでなく設置場所の電源設計まで含めた話になります。
モニタ:4K 240Hz OLED を別建て30-40万円
100万円 PC 本体の話に集中しましたが、モニタは別建てで30-40万円が現実解です。4K 240Hz OLED(LG 32GS95UE や ASUS PG32UCDM 等)は 8K 動画編集の色再現とゲーミングの応答速度の両方を1枚で満たせる選択肢です。詳細は「4K OLED ゲーミングモニタ比較 2026年版」で扱っています。
Mac Studio M3 Ultra 512GB との使い分け軸
100万円 PC を組んだ後、「Mac Studio M3 Ultra 512GB(約80万円)を別建てで足す」判断が次に浮上します。合計約180万円の2機体制です。判断基準は主に2つあります。
- 扱いたい最大モデル:Llama 3.3 70B までなら 100万円 PC 単体で完結。DeepSeek V3 671B、Llama 4 Maverick 400B、Qwen 3 235B 級を触るなら Mac Studio 512GB の Unified Memory が唯一の現実解
- OS 主体:Windows / Linux で3DCG・ゲーミング・8K動画編集を回すなら100万円 PC 集約。macOS で LLM・映像・音楽制作を回すなら Mac Studio 単機、両方回したいなら2機体制
Mac Studio M3 Ultra 512GB の LLM 実力は「Mac Studio M3 Ultra 512GB でローカルLLM:DeepSeek V3 と 671B級の実測」で詳しく扱っています。100万円 PC + Mac Studio の2機体制は、フリーランスの映像+LLM併用開発者や、業務レベルでフロンティアモデルを触る個人研究者にとって、2026年時点の「完成形」に近い構成です。
この構成の弱点
100万円 PC 集約構成でも弱点は残ります。
- VRAM 32GB 上限:Llama 4 Scout 109B(Q4 で約60GB)、DeepSeek V3 671B(Q4 で約400GB)は単機では動きません。ここに踏み込むには RTX 5090 2枚化(合計64GB VRAM、「Dual RTX 5090 マルチGPU ローカルLLM ベンチマーク 2026年版」参照)か Mac Studio 512GB が必要
- 消費電力:24時間常時稼働で月電気代は約1万円(27円/kWh換算)。LLM推論を常時走らせる用途では電気代が無視できない
- 物理サイズ:Fractal Define 7 XL / Lian Li O11 Dynamic XL は幅25cm × 高さ55cm × 奥行き60cm 級で、机の下に収まらないことがあります
これらを飲めるかどうかが、100万円 PC を組む判断の最終チェックポイントです。
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構成の3本柱となる CPU / GPU / マザーボードを掲載します。メモリ・ストレージ・電源・ケースは実勢在庫と用途で選定が変わるため、上表の価格帯を目安に個別に選ぶのが実用的です。
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よくある質問
- 予算100万円で自作PCを組むと、何ができるようになりますか?
- Threadripper 9970X 32コア + RTX 5090 32GB + DDR5 ECC 256GB の構成で、ローカルLLM 70B推論(Llama 3.3 70B Q4_K_M で約38 tok/sec)、8K RAW 動画編集(DaVinci Resolve でリアルタイム再生)、4K 240Hz ゲーミング(AAA タイトルで平均200fps超)の3つを1台で回せるようになります。50万円構成では「LLM機」または「ゲーミング機」のどちらかに割り切る必要がありましたが、100万円帯で3用途を1台に集約できる領域に入ります。
- 100万円PC 1台と、50万円PC + Mac Studio M3 Ultra 512GB の2機体制、どちらがいいですか?
- 扱いたいモデル規模と OS 主体で決まります。Llama 3.3 70B までなら 100万円 PC 単体で完結し、Windows 中心の作業なら1台に集約したほうが導線が楽です。DeepSeek V3 671B や Llama 4 Maverick 400B 級を触りたい、macOS 主体で作業したい、という条件が入ると Mac Studio M3 Ultra 512GB を別建てで持つ約180万円の2機体制が合理的になります。
- Threadripper 9970X ではなく Ryzen 9 9950X3D で組めば安く済みますか?
- 8K RAW 動画編集と大量メモリを諦めるなら、Ryzen 9 9950X3D 構成で約35万円下がります。ただし Threadripper 9970X の強みは32コア並列(DaVinci Resolve のノイズリダクション・エフェクトで効く)と、DDR5 ECC RDIMM で256GBのメモリを積めること(8Kプロジェクトのタイムライン全体をメモリに保持できる)です。ゲーミングとLLM推論だけなら 9950X3D で十分で、動画編集を本業レベルで回すなら Threadripper が必要になります。