Mac Studio M4 Max vs M3 Ultra ローカルLLM ベンチマーク 2026年版:同じ Mac Studio でどちらを選ぶか tok/sec・メモリ帯域・価格で比較
メモリ帯域819GB/s(M3 Ultra)対546GB/s(M4 Max)。同じ Mac Studio でもローカルLLMの速度は約1.5倍変わります。70B/120Bモデルでの tok/sec、最大メモリ容量(128GB対512GB)、価格差を実測ベースで比較し、ローカルLLM用途でどちらの Mac Studio を選ぶべきかを2026年版で具体的に判断します。
- #Mac Studio
- #M4 Max
- #M3 Ultra
- #ローカルLLM
- #メモリ帯域
- #tok/sec
- #Apple Silicon
- #Unified Memory
本記事は Amazon.co.jp および各販売店のアフィリエイトリンクを含む場合があります。推奨は性能・コスパ・実機ベンチマーク基準で編集判断しており、提供記事は受け付けていません。詳細は プライバシーポリシー をご覧ください。

結論:ローカルLLMで70Bクラスまでが主目的なら M4 Max(メモリ帯域546GB/s、最大128GB)、120B超の大規模モデルや容量・速度を最優先するなら M3 Ultra(819GB/s、最大512GB)。同じ Mac Studio という箱でも、メモリ帯域が約1.5倍違うため同じ70Bモデルで生成速度(tok/sec)も約1.5倍変わります。「70Bまでで足りる・コスパ重視」なら M4 Max、「容量で詰まりたくない・とにかく速く・大規模も」なら M3 Ultra、が2026年6月時点の分岐点です。
Mac Studio をローカルLLM用に買おうとすると、最後に必ず迷うのが「M4 Max 構成にするか、M3 Ultra 構成にするか」です。同じ Mac Studio という筐体で、見た目もほぼ同じ。なのに価格は大きく違い、ネット上には「Ultraのほうが速い」「Maxで十分」と相反する声が並びます。
この迷いの正体は、ほとんどの比較が「どちらが優れているか」を漠然と語っていて、ローカルLLMにとって本当に効く指標で比べていないことにあります。その指標とはメモリ帯域です。LLMのトークン生成速度は、CPUコア数でもGPU性能でもなく、メモリ帯域にほぼ比例します。
この記事では、M4 Max と M3 Ultra を「メモリ帯域・tok/sec・最大容量・価格」という、ローカルLLMで本当に効く4軸で比較します。tok/sec は当サイトの既存実測(Mac Studio M3 Ultra vs RTX 5090 / Ryzen AI MAX+ 395 vs Mac Studio M4 Max)の数値をベースに整合させたレンジです。
M4 Max / M3 Ultra スペック早見表
先に判断材料をひとまとめで示します。以降の各章の数値もこの表に沿って掘り下げていきます。
| 項目 | Mac Studio M4 Max | Mac Studio M3 Ultra |
|---|---|---|
| メモリ帯域 | 546 GB/s | 819 GB/s(約1.5倍) |
| 最大メモリ | 128 GB | 512 GB |
| GPUコア | 最大40 | 最大80 |
| 70B Q4 tok/sec 目安 | 約8〜10 tok/s | 約12〜15 tok/s(約1.5倍) |
| 120B級 MoE | ギリギリ(128GBで) | 余裕 |
| 想定用途 | 70B主目的・コスパ | 120B超・容量最優先 |
まず核心:メモリ帯域が tok/sec を決める
比較の前に、なぜ帯域がそんなに重要なのかを押さえます。LLMがトークンを1つ生成するたびに、モデルの重み全体をメモリから読み出す必要があります。70Bモデル(Q4で約40GB)なら、1トークンごとに約40GBを読む。だから「1秒間にメモリを何GB読めるか」=メモリ帯域が、そのまま「1秒間に何トークン出せるか」の上限を決めます。
| チップ | メモリ帯域 | 最大メモリ | GPUコア |
|---|---|---|---|
| M4 Max | 546 GB/s | 128GB | 最大40コア |
| M3 Ultra | 819 GB/s | 512GB | 最大80コア |
帯域比は 819 ÷ 546 ≒ 1.5倍。これがそのまま生成速度の差として現れます。なぜ帯域が容量より重要なのか、その仕組みは「メモリ帯域幅(GB/s)がローカルLLMの tok/sec を決める仕組み 2026年版」で詳しく解説しています。ここでは「帯域1.5倍 ≒ 速度1.5倍」という関係だけ頭に入れてください。
ベンチ1:70Bクラスの tok/sec
最も需要が多い70Bクラス(Llama 3.3 70B / Qwen系 72B、Q4_K_M)での生成速度の目安です。
| モデル | M4 Max(546GB/s) | M3 Ultra(819GB/s) |
|---|---|---|
| Llama 3.3 70B Q4 | 約8〜10 tok/s | 約12〜15 tok/s |
| Qwen系 72B Q4 | 約8〜10 tok/s | 約12〜14 tok/s |
| 30B級 Q4 | 約20〜25 tok/s | 約30〜36 tok/s |
70Bクラスで M4 Max は8〜10 tok/s、M3 Ultra は12〜15 tok/s。体感では、M4 Max が「読める速さでスラスラ」、M3 Ultra が「待ちをほぼ感じない」くらいの差です。どちらも実用に耐えますが、長いやり取りを繰り返すほど帯域差は効いてきます。なお M4 Max の70B Q4は約40GBを使うため、64GB構成だとコンテキストを長くとると苦しく、128GB構成が安心です。
ベンチ2:プロンプト処理(TTFT)
トークン生成(読み出し律速)とは別に、入力プロンプトを読み込む「prompt processing(TTFT=最初の1文字までの時間)」があります。こちらは演算(GPU性能)が効くため、GPUコアが倍ある M3 Ultra が有利です。
| 項目 | M4 Max | M3 Ultra |
|---|---|---|
| GPUコア | 最大40 | 最大80 |
| 長文プロンプトのTTFT | 標準 | 約1.5〜2倍速い |
長いシステムプロンプトや大量のドキュメントを毎回読ませる使い方(RAG、長文要約など)では、M3 Ultra のTTFTの速さがはっきり効きます。逆に短い対話中心なら、TTFTの差はあまり気になりません。「生成速度=帯域」「プロンプト処理=GPU演算」と、効く指標が違う点は覚えておくと選びやすくなります。
ベンチ3:大規模モデル(120B超)と容量の壁
ここが M4 Max と M3 Ultra の決定的な分かれ目です。
| メモリ容量 | M4 Max | M3 Ultra | 動くモデルの目安 |
|---|---|---|---|
| 最大容量 | 128GB | 512GB | (構成上限) |
| 70B Q4 | ○(128GB) | ○ | 約40GB |
| 120B級 MoE Q4 | △(128GBでギリギリ) | ○ | 約60〜80GB |
| 235B級 / 複数常駐 | ✕ | ○(256/512GB) | 100GB超 |
| DeepSeek V3.2 級 | ✕ | △(512GBで挑戦) | 400GB超 |
M4 Max は最大128GBなので、70Bは快適でも120B超になると一気に苦しくなります。一方 M3 Ultra は256GB・512GBが選べるため、120B級はもちろん、複数のモデルを同時に常駐させたり、巨大なコンテキストを確保したりする余裕があります。「容量で詰まないこと」自体に価値を感じるなら M3 Ultra 一択です。
ただし2026年に入ってから、ここに大きな注意点が加わりました。世界的なDRAM不足を受けて、Appleは M3 Ultra Mac Studio の大容量構成を相次いで販売停止にしています。512GB構成は2026年3月、256GB構成も同年5月に注文不可となり、執筆時点(2026年6月)では実質96GB構成のみが選べる状態です。納期もM3 / M4 Max構成で9〜10週間と長期化しており、「M3 Ultra の256/512GBで大規模モデルを」という前提そのものが崩れつつあります。この背景にあるメモリ高騰の構造と、いつまで続くか・どう買うべきかは「2026年のメモリ・SSD価格高騰はいつまで続くか」で詳しく整理しています。大容量を狙うなら、入手性も含めて早めに判断するのが現実的です。
ベンチ4:消費電力
Apple Silicon の強みは、この性能を低消費電力で出すことです。
| チップ | LLM推論時の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| M4 Max | 約60〜90W | 効率重視 |
| M3 Ultra | 約90〜140W | 2ダイ構成で電力は増えるが帯域・GPUも倍 |
どちらもデスクトップGPU(RTX 5090は単体で500W超)と比べれば圧倒的に省電力です。24時間つけっぱなしでLLMサーバーを立てるような使い方では、この電力効率が効いてきます。
価格対性能:差額に見合うか
最後に、価格差に帯域・容量差が見合うかを考えます。M4 Max 構成と M3 Ultra 構成では、同容量で比べても M3 Ultra のほうが明確に高価です(構成により十数万〜数十万円の差)。
判断の目安はこうです。
- 70Bまでで足りる・予算を抑えたい → M4 Max。8〜10 tok/s は実用十分で、128GB構成なら70Bを安定運用できる。コスパで賢い選択
- 120B超を扱う・容量で詰まりたくない・少しでも速く → M3 Ultra。帯域1.5倍・容量最大512GB・GPU倍は、大規模LLMを本気でやる人には差額に見合う
- どっちつかずで迷う → 動かしたい最大モデルで決める。70Bが上限なら M4 Max、それ以上を視野に入れるなら M3 Ultra
私の結論を一言で言えば、「70BまでならM4 Max、120B超や容量重視ならM3 Ultra」。帯域差は確かにありますが、70Bクラスで止まるなら M4 Max の8〜10 tok/s で困る場面は少なく、浮いた予算をストレージやディスプレイに回すほうが満足度は高いことが多いです。逆に「将来もっと大きいモデルを」と思っているなら、後から容量は増やせないので最初から M3 Ultra にしておくべきです。
Mac Studio で具体的に何が動くかの容量別の全体像は「Mac Studio でローカルLLM を動かす完全ガイド 2026年版」に、そもそも Mac mini と Mac Studio のどちらにすべきかは「Mac mini M4 / M4 Pro vs Mac Studio M4 Max / M3 Ultra 2026年版」にまとめています。
入手先・関連商品
当サイトは Amazon.co.jp アソシエイト・プログラムに参加しています。下記リンク経由で購入された場合、紹介料を受け取ることがあります。読者の負担は増えません。リンクは記事評価とは独立しており、編集判断には影響しません。
- Mac Studio M4 Max を Apple公式サイトで見る — 70Bまでで足りる人のコスパ最適解、128GB 構成推奨
- Mac Studio M3 Ultra を Apple公式サイトで見る — 帯域 819GB/s、120B超やマルチモデル常駐向け
- Samsung T9 Portable SSD 4TB Thunderbolt を Amazon.co.jp で見る — 70B〜120B モデルは1本20〜80GB、内蔵 SSD だけでは足りないためモデル置き場に
あなたに合うPCを診断する
用途や予算をもう少し細かく入力すると、3つの候補構成を提案します。
→ 診断スタート
関連記事
- Mac Studio でローカルLLM を動かす完全ガイド 2026年版:M4 Max / M3 Ultra の Unified Memory 容量別に何が動くか
- Mac mini M4 / M4 Pro vs Mac Studio M4 Max / M3 Ultra 2026年版:据え置き Mac の選び方
- メモリ帯域幅(GB/s)がローカルLLMの tok/sec を決める仕組み 2026年版:VRAM容量より「帯域」を見るべき理由と GPU・Apple・Strix Halo の実数値
- Mac Studio M3 Ultra 512GB でローカルLLM完全ガイド 2026年版:DeepSeek V3・Llama 3 405B までどこまで動かせるか
- Mac Studio M5 Ultra は待つべきか、今 M3 Ultra を買うべきか 2026年版:世代待ち判断とローカルLLM実務の折り合い
よくある質問
- Mac Studio はローカルLLM用途で M4 Max と M3 Ultra どちらを選ぶべき?
- 70Bクラスまでが主目的で予算を抑えたいなら M4 Max(546GB/s、最大128GB)、120B超の大規模モデルや容量重視・速度最優先なら M3 Ultra(819GB/s、最大512GB)です。メモリ帯域がtok/secを直接左右するため、同じ70Bモデルでも M3 Ultra のほうが約1.5倍速い計算になります。容量で詰まないこと・帯域で速いことに価値を感じるなら M3 Ultra、コスパなら M4 Max が分岐点です。
- なぜ同じMac StudioでもLLMの速度が違うの?
- メモリ帯域が違うからです。M4 Max は546GB/s、M3 Ultra は819GB/sで、ローカルLLMのトークン生成速度(tok/sec)はメモリ帯域にほぼ比例します。チップのコア数やGPU性能より、1秒間にどれだけメモリを読めるかが律速になるため、帯域が約1.5倍のM3 Ultraが生成速度でも約1.5倍前後速くなります。
- 120B超のモデルを動かすには M3 Ultra が必須?
- 実質的にそうです。M4 Max は最大128GBで、Q4量子化の120B級MoEがギリギリのライン。256GBや512GBを選べる M3 Ultra なら、120B超や複数モデルの同時常駐に余裕があります。大規模モデルを本気で扱うなら M3 Ultra の大容量構成が現実解です。
- M3 Ultra と M4 Max のメモリ帯域はどれくらい違う?
- M4 Max が546GB/s、M3 Ultra が819GB/sで、比は約1.5倍です。ローカルLLMのトークン生成速度(tok/sec)はメモリ帯域にほぼ比例するため、同じ70Bモデルでも M3 Ultra のほうが約1.5倍速い計算になります。GPUコア数(最大40対80)も倍違い、長文プロンプトの処理(TTFT)では M3 Ultra が約1.5〜2倍速くなります。
- Mac Studio の M4 Max 64GB でローカルLLMはどこまで動く?
- 70B Q4(約40GB)は載りますが、コンテキストを長く取ると64GBでは苦しくなります。70Bを安定して常用したいなら128GB構成のほうが安心です。一方、30B級(Q4で約18〜20GB)までなら64GBで余裕を持って動かせます。70Bまで快適に使いたいかどうかが、64GBと128GBの分岐点です。
- Mac Studio M4 Max と M3 Ultra を比較するとどちらが速いですか?
- メモリ帯域が M4 Max 546GB/s に対し M3 Ultra 819GB/s と約1.5倍広く、ローカルLLMのtok/secはメモリ帯域にほぼ比例するため、70Bクラス(Llama 3.3 70B Q4 / Qwen系 72B Q4)で M3 Ultra のほうが約1.5倍速く出ます。長文プロンプトの読み込み(TTFT)でも GPUコアが最大40対80で倍あるため M3 Ultra のほうが約1.5〜2倍速いです。生成速度でも入力処理でも M3 Ultra が上回りますが、70Bまでで足りるなら M4 Max の8〜10 tok/s でも実用に耐えます。詳細は「[Mac Studio M3 Ultra 512GB でのローカルLLM完全ガイド](/blog/mac-studio-m3-ultra-512gb-local-llm-guide-2026/)」も参考にしてください。
- Mac Studio の M3 Ultra のメモリ帯域は具体的にいくらですか?
- Mac Studio の M3 Ultra は819GB/sで、M4 Max の546GB/s に対し約1.5倍広いです。ローカルLLM のトークン生成速度(tok/sec)はメモリ帯域にほぼ比例するため、同じ70Bモデルでも M3 Ultra のほうが約1.5倍速い計算になります。帯域が速度を決める理屈は「[メモリ帯域幅(GB/s)がローカルLLMのtok/secを決める仕組み](/blog/memory-bandwidth-local-llm-tok-sec-2026/)」で詳しく解説しています。
- Mac Studio M4 Max と M3 Ultra の価格差はいくらですか?
- 同容量で比べても M3 Ultra のほうが M4 Max より明確に高価で、構成により十数万〜数十万円の差になります。70Bまでで足りるなら M4 Max のコスパが優勢、120B超や256/512GBの大容量まで狙うなら M3 Ultra の差額に見合う構図です。ただし2026年に入って世界的なDRAM不足を受けて M3 Ultra の256/512GB 構成は販売停止・入手難が続いており、大容量狙いは実勢価格だけで判断せず入手性も込みで検討する必要があります。