2026年のメモリ・SSD価格高騰はいつまで続くか:DDR5 / NAND 値上がりの原因とPC・Mac買い時の判断軸
2026年に起きているDDR5メモリ・NAND(SSD)の急騰を、原因(AIデータセンターのHBM優先・DRAM争奪戦・PMIC逼迫)と今後の見通し(2027〜2028年まで高値の予測)から整理。自作PC・BTO・Macをいつ買うべきか、容量を削るか中古に逃すかの判断軸を提示します。
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結論(2026年6月時点):DDR5メモリとNAND(SSD)の高騰は、早くても2027年以降、長ければ2028年頃まで続くというのが各メディアの集約された見方です。原因はAIデータセンター向けHBMへの生産集中という構造的なもので、短期的な大幅値下がりは見込み薄。だから「値下がりを待つ」戦略は今は分が悪く、今すぐ必要なら容量を実用最小限に抑えて買う・中古に逃す・本当に大容量が要るならさらに上がる前に今買う、のいずれかが現実的な判断になります。
2026年に入ってから、PCの自作・買い替えを考えている人の間で「メモリが高すぎる」「SSDがいつの間にか倍になっている」という声が一気に増えました。実際、2025年後半まで比較的手頃だったパーツの価格が、半年ほどで様変わりしています。これは一時的なものなのか、待てば戻るのか。この記事では、原因と今後の見通しを2026年6月時点の確認できる事実で整理し、PC・Macをいつ買うべきかの判断軸を提示します。
なお、ここで挙げる数値はすべて2026年6月時点のものです。市況は動くため、購入前には最新の相場を必ず確認してください。
どれくらい上がったのか
まず現状を数字で押さえます。2025年後半から2026年前半にかけての値動きは、近年では異例の急騰でした。
- DDR5メモリ:32GBキット(16GB×2)が、以前は28,000円前後で買えたモデルが50,000円を超える水準に。半年で約2倍、一部の高グレード品は約5倍に達したとの報告もあります
- NAND(SSD):TLC NANDの一部が2026年3月時点で約30ドルに到達。2025年10〜11月を境に急騰し、わずか5ヶ月で約5倍という値動きを記録
- 値上げ幅:業界の集計では、DRAMで最大63%、NANDで最大75%という大幅な契約価格の引き上げが報じられています
体感としては「同じ予算で組めるPCのスペックが、半年前より明確に下がった」という状況です。特にメモリとSSDの容量を盛った構成ほど、価格への跳ね返りが大きくなっています。
原因:すべてはAIのメモリ争奪戦
なぜここまで上がったのか。原因は複数ありますが、根っこにあるのは1つです。生成AIの急速な需要拡大が、メモリの生産能力を奪い合っていることです。
主な要因を整理すると次の4つです。
- HBM優先(最大要因):ChatGPTをはじめとするAIの拡大で、データセンター向けのHBM(高帯域メモリ)需要が急増。HBMは標準的なDDR5の約3〜4倍のウェハー面積を使うため、メーカーが利益率の高いHBMを優先すると、PC用のDDR5を作るラインが物理的に削られます
- 減産の反動:2023〜2024年にメモリ各社が価格下落に対応して減産していたところに、2025年の需要回復が重なり、供給が追いつかなくなりました
- 円安:1ドル150円超の水準が続き、輸入価格を押し上げています(日本市場特有の要因)
- PMIC不足:DDR5の動作に必須の電源管理チップ(PMIC)の供給も逼迫し、メモリモジュールの生産制約になっています
このうちHBM優先によるAI需要が構造的で最も大きく、しかも当面解消しないため、価格が「一時的に上がっただけ」とは言いにくい状況です。データセンター投資が続く限り、PC用メモリは後回しにされ続けます。
いつまで続くか:2027〜2028年までの覚悟
最も知りたいのは「いつ戻るのか」でしょう。2026年6月時点の各メディアの予測を集約すると、見通しは厳しめです。
- DRAM(メモリ):本格的に落ち着くのは早くても2027年以降。Samsung・SK Hynixの新工場の本格稼働が2027年中頃〜2028年頃に予定されており、それまでは高水準で推移する見込み
- NAND(SSD):主要メーカーの2026年生産分はすでに売り切れ、新規生産ラインの稼働は2027年後半まで見込めない。Silicon Motionの社長は「NANDは2028年まで品不足が続く可能性」との見解を示しています
- 需給バランス:供給の伸びに対して需要の伸びが上回る構図が続き、短期的な大幅値下がりは見込み薄
つまり「待てば戻る」という前提は、少なくとも2026年内は成り立ちにくい、というのが現時点の現実的な読みです。値下がりを待つ間にPCを使えない機会損失のほうが大きくなる可能性があります。
影響の実例:Mac Studioの大容量構成が買えなくなった
この高騰がどれだけ深刻かを象徴するのが、Appleの動きです。Mac Studioの最上位構成が、DRAM不足を理由に次々と販売停止になりました。
- 2026年3月:M3 Ultra の512GBメモリ構成が販売停止
- 2026年5月:256GBメモリ構成も販売停止。M3 Ultra Mac Studio は実質96GB構成のみに
- 納期:M3 / M4 Max 構成でも納期9〜10週間。Tim Cook CEOは「Mac mini と Mac Studio は数ヶ月にわたって入手しづらい状態が続く」と発言
ローカルLLM用途で大容量のUnified Memoryを求めていた人にとっては、選択肢そのものが消えた格好です。M3 Ultra の256/512GBを前提に検討していた人は、構成や買い方の見直しを迫られています(詳細は「Mac Studio M4 Max vs M3 Ultra ローカルLLM ベンチマーク 2026年版」も参照)。これは自作PCの大容量メモリ・大容量SSDでも同じ構図で、「容量を盛る」こと自体のコストが跳ね上がっています。
買い時の判断軸
では、今どうすべきか。値下がりを待つのが分の悪い賭けである以上、判断は「待つ/待たない」ではなく「どう買うか」に移ります。用途別に整理します。
1. 今すぐ必要 → 容量を実用最小限に抑えて買う
PCが今要るなら、待つメリットは薄いです。ポイントは容量を盛りすぎないこと。メモリもSSDも、用途に対して過剰な容量は高騰時ほど割高になります。たとえば一般用途やゲームなら32GBで十分なことが多く、ここを64GBにすると差額が大きく効きます。自分の用途に必要な容量は「PCメモリ 16GB / 32GB / 64GB はどう違う 2026年版」で見極めてから決めるのが、無駄な出費を避けるコツです。
2. 大容量が必須 → さらに上がる前の「今」も選択肢
ローカルLLMや動画編集で大容量メモリ・SSDが必須なら、話は逆になります。2027年以降も上がり続ける予測である以上、「今が一番安い」可能性すらあります。必要な構成が明確なら、先送りせず確保するほうが結果的に安く済むこともあります。後から買い足すより、最初に必要量を揃えるのが高騰時の鉄則です。
3. 中古に逃す
高騰しているのは新品の話で、中古市場には旧世代の在庫が当時価格で残っていることがあります。とくにローカルLLM用途では、中古のMac Studio(M1/M2 Ultra)が大容量Unified Memoryを比較的安く確保できる選択肢になります。詳しくは「中古 Mac Studio でローカルLLMを安く動かすガイド 2026年版」にまとめています。
4. 次世代を待つなら「価格」ではなく「製品」で待つ
「待つ」判断が成り立つのは、価格の戻りを待つ場合ではなく、欲しい次世代製品の登場を待つ場合です。CPUなら「Intel Nova Lake / AMD Zen 6 を待つべきか 2026年版」、Macなら「Mac Studio M5 / M5 Ultra はいつ出るか、待つべきか 2026年版」で、製品の登場時期と今買う判断軸を整理しています。ただし次世代が出てもメモリ・SSDの高騰自体は別問題として続く点は織り込んでおく必要があります。
まとめ:待つより「賢く買う」フェーズ
2026年6月時点での私の結論はこうです。メモリ・SSDの高騰は構造的で、2027〜2028年まで覚悟が必要。だから「値下がりを待つ」より「今の高い相場の中で、容量を無駄に盛らず、必要なものを必要なだけ買う」ほうが合理的です。大容量が本当に要るなら今のうちに、要らないなら容量を一段落として影響を最小化する。中古や旧世代も含めて選択肢を広げる。これが高騰局面での現実的な立ち回りです。
ローカルLLM用途でストレージ容量を具体的にどう決めるかは「ローカルLLM向けSSD・ストレージ構成ガイド 2026年版」で、容量の逆算方法まで掘り下げています。
出典・参考:本記事の市況データは PC Watch / EE Times Japan / Tom’s Hardware / 9to5Mac / MacRumors / ITmedia / ギャズログ(GAZ:Log)等、2026年前半に報じられた各社の報道を集約しています。数値は2026年6月時点のもので、最新の相場は購入前に必ずご確認ください。
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